生理前になると、イライラや頭痛などの不快な症状に多くの女性が悩まされています。なかでも腰痛は、生理前の痛みだけでなく、症状によっては妊娠の可能性や子宮の病気が原因の場合もあります。
生理前 の 腰痛 について知り、自分にあった対処法をとることが大切です。
生理前のつらい腰痛の原因と対処法
月経前症候群(PMS)について
生理前になると、「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンの分泌量が入れ替わります。それによりホルモンバランスがくずれて、こころやからだに不快な症状がおこります。
このような症状を月経前症候群(PMS)といい、女性の約8割が経験するといわれています。生理前の3~10日前後に起き、生理がはじまるとともに症状が弱まっていき、やがて消えていきます。
一定の症状ではなく、感情の起伏が激しくなることでイライラする人や、なんとなく人にあたる人もいれば、痛みを感じたり疲れやすくなる人もいます。また、複数の症状があらわれることもあります。
生理前の腰痛の原因と症状
生理前になると、卵巣から「リラキシン」というホルモンが分泌されます。「リラキシン」は関節をゆるめる働きがあります。それにより骨盤がゆるみ、周辺の筋肉に負担がかかることで、腰への負担が増えて腰痛の原因となります。
また、子宮内膜から「プロスタグランジン」という物質が分泌されることが原因の場合もあります。「プロスタグランジン」の分泌が多くなると子宮の収縮が強くなります。それに伴って痛みを感じることがあり、痛みを強くする作用もあるため、腰痛の原因になります。
症状としては、少し腰に痛みを感じるだけという人もいれば、痛みがひどいために仕事や家事などの日常生活に支障をきたすほどになることもあります。また、痛みというよりは〝重い〟〝だるい〟という重苦しさを感じる人もいます。
生理前の腰痛の対処法
少しでも症状を軽くするための方法としては、症状がひどくなる前の生理前1~2週間にウォーキングやサイクリングなどをすることにより、からだを動かしておくと新陳代謝もよくなります。
生理前になり症状があらわれはじめてからでも、運動や散歩なども気分転換やストレス解消にもなります。また、気持ちが落ち込んで運動をする気がおきないときには、ムリをしないで、散歩や軽いストレッチをして気分転換をするのもよい方法です。
からだの冷えは血行不良を招くため、腰痛をひどくします。そこで、マッサージをしたりお風呂にはいってからだを温めたりするなどしましょう。骨盤のまわりの筋肉の疲労がとれ、痛みを改善することにもなります。
また、からだを冷やさない食べ物や飲み物を摂取することも大切です。食べ物としては、ショウガや玉ねぎなどの根菜類があります。ショウガやゆずなど、からだを温める成分が入っている飲み物を飲むようにしましょう。
基礎体温表をつけたり、スマートフォンのアプリで自分のカラダのリズムを把握しておけば、つらい症状があとどれぐらい続くか目にみえてわかるので気持ちがラクになります。
食事や運動をするなどしても改善されなければ、市販の鎮痛剤を飲んで症状を緩和するようにしましょう。
痛みが改善しない場合や長引く場合は病院へ行く
あまりに痛みがひどく日常生活に支障がでるようなら、がまんせずに婦人科を受診しましょう。子宮内膜症や子宮筋腫のような病気が隠れていることもあるので、生理になっても痛みがひかないような場合も婦人科を受診し、診察してもらいましょう。
生理前と妊娠初期の腰痛の違い
生理前の腰痛に個人差があるように、妊娠初期の腰痛にも個人差があります。痛くなる時期も似ているので、症状や時期だけでは違いはわかりません。
生理前にいつも腰痛になる人は、痛い場所や症状が違うと感じる、いつもは腰痛にならない人は、生理予定日ごろになって腰痛になった、これらのような場合は妊娠初期症状かもしれません。
腰痛の症状だけでははっきりしませんので、〝胸のはり〟や〝吐き気〟などの症状がでるほか、「高温期が2週間以上続く」などのように、いつもとは違う症状があらわれていないかをあわせて考えることです。
〝妊娠しているかもしれない〟と感じる場合は、一番正確にわかるのは妊娠検査薬です。生理予定日を1週間すぎてから正しく判定できるものが一般的です。妊娠の可能性がある場合には、早めに産婦人科を受診しましょう。
まとめ
生理前のつらい腰痛の原因と対処法
月経前症候群(PMS)について
生理前の腰痛の原因と症状
生理前の腰痛の対処法
痛みが改善しない場合や長引く場合は病院へ行く
生理前と妊娠初期の腰痛の違い