脳に異常がなくても頭痛はおこります。しかし、脳に異常がないからといっても病気であることには違いなく、危険な病気が潜んでいることもあるのです。頭痛はその症状によって対処方法が異なります。
今回は、 臨月 におこりやすい 頭痛 の種類をあげ、それぞれの対処方法を紹介します。
臨月におこる頭痛の種類と対処方法
ホルモンの変化や睡眠不足による片頭痛
臨月は、お腹が大きくなり睡眠不足に悩んでいる人も多くいます。睡眠不足は片頭痛の原因になるのです。片頭痛とは、頭の片側がズキズキと脈打つように痛みます。歩いているときや体を少し動かしただけでも痛みは憎悪することが特徴です。
体を動かすことによって、脳の血管の一部にけいれんがおこり、血液の流れが悪くなります。すると、血管が広がるため痛みを感じるのです。片頭痛は臨月や若い女性に多くみられ、頭痛前になると目がチカチカしたり手足のまひがみられたりすることがあります。
頭痛が始まると、吐き気や実際に吐くこともあり、脳腫瘍と勘違いする人も多くいるのです。しかし、片頭痛の場合は少し休むと症状が治まります。片頭痛の治療は、睡眠やストレスの軽減で対応します。
片頭痛がひどい人は予防薬として高血圧の薬や抗てんかん薬、抗うつ薬を持っていることも多いでしょう。しかし、臨月といえども妊娠中であることにはかわらないため、薬の服用は自己判断で行わず、医師の診断を受けるようにしましょう。
運動不足による緊張型頭痛
臨月になると体が重くなるため、運動不足になりやすくなります。運動不足により、顔面や首、頭の筋肉が緊張し続け頭痛をまねくことがあるのです。症状は、頭の両側が締めつけられるように痛みます。症状は長く続き、朝よりも夕方以降に強く出る特徴があるのです。
片頭痛よりは弱いですが、吐き気の症状が弱く長くでることもあります。運動不足により、筋肉が緊張し続けることが原因であることが多いのですが、出産を控えた緊張やストレスなどが原因であることもあるのです。
一般的な治療では、消炎鎮痛剤を使用します。しかし、臨月の緊張型頭痛には、リラックスすることが一番の治療になるでしょう。家事の合間に休養を取り、軽い運動も行います。入浴しながらマッサージしてみてもいいでしょう。
激しい頭痛と吐き気がおそったら脳卒中を疑う
臨月は体内の血液量が増えるため、妊婦の中には高血圧になる人もいます。高血圧の状態が続くと、脳卒中を引き起こすことも考えられるのです。脳卒中は、くも膜下出血、脳出血と脳梗塞にわけることができます。
どれも、突然の激しい頭痛、片側のまひ、意識障害が特徴です。症状が出たら、緊急の処置を必要とするため救急車の手配をしましょう。くも膜下出血の場合は、激しい頭痛とともに嘔吐があります。脳血管にできた動脈瘤が破裂することで出血するため、放置してしまうと大変危険です。
すぐに手術治療が必要です。手術を行えば、頭痛だけの軽症であれば90%以上、意識障害が出た後の手術であれば半数が社会復帰可能なまでに治療が可能といわれています。
しかし、出血が進み昏睡状態になってからの発見は手術治療ができないことも多くなるため、速やかな発見と処置が重要になるのです。
臨月の脳出血の原因は、妊娠高血圧症候群であることが多いのです。妊娠高血圧症を予防するためには、妊娠初期から睡眠や休養に気をつけ過労を避けることが大切です。また、たんぱく質や植物性脂肪などの栄養をとり、塩分は極力少なく抑えるようにしましょう。
臨月は、食べ過ぎによる肥満にならないようにバランスの良い食事を心がけ、生活管理だけでは血圧がコントロールできないようであれば、早めに医師に相談し食事療法の指示を受けるようにしましょう。
まとめ
臨月におこる頭痛の種類と対処方法
ホルモンの変化や睡眠不足による片頭痛
運動不足による緊張型頭痛
激しい頭痛と吐き気がおそったら脳卒中を疑う