妊娠週数が28週目に入ると 妊娠後期 に入ります。おなかも急激に大きくなり、いよいよ出産まであと少しです。
この頃になるとおなかの赤ちゃんは、臓器の機能が充実し爪や髪の毛が生えてきて新生児の姿に近づいてきています。そのため妊婦の内臓が圧迫され、初期・中期では無かった つわり 等の症状が出てきます。
妊娠後期のつわりとの付き合い方
初期つわりとの違い
妊娠初期に見られるつわりの原因は主に非妊娠時には体内に無い「ヒト絨毛性ゴナドトロピン」というホルモンが妊娠することで発生し、一種のアレルギー反応のような症状をおこしているのではないかと考えられています。
症状は吐き気、嘔吐、倦怠感、頭痛、食欲不振などで、音や匂いに敏感になる症状が出ることもあります。
しかし初期のつわりはほとんどの場合、新しいホルモンに体が順応できるようになるため15週目には徐々に治まってきます。
一方、妊娠後期のつわりは、おなかの赤ちゃんが大きくなり妊婦の臓器がどんどん上へ押し上げられ圧迫されることが原因です。
胃は圧迫されることだけでなく、胃が持ち上げられることで胃酸が逆流し吐き気、胸焼け、げっぷ、胃痛が起こりやすくなります。
また肺や心臓、腸なども圧迫されているので、ちょっとした動きでも息切れや動悸をおこし、便秘にもなりやすくなります。
初期のつわりほど重い症状にはなりませんが体が重くなった分、疲れやすく回復に時間が掛るようになります。
後期つわりの時期
妊娠8か月から9か月になると羊水の量が増え、赤ちゃんも急激に大きくなるので子宮底の位置も一番高くなります。
おなかは「みぞおち」あたりからボコンと膨らみます。そのため、この頃になると一揆に圧迫されたような感じになり後期つわりが始まります。
この時期はつわりだけでなく、大きくなったおなかを支えるために腰に負担がかかり腰痛になったり足がつったりすることもあります。
不快な症状が増え、身体的負担も重なり不安も募りますが38週目以降の臨月に入ると赤ちゃんは外に出る準備をするためグッと下がり、骨盤に頭が入る状態になるので圧迫はかなり解消されます。
つわりの対策
吐き気やげっぷなど胃の不調があると、一番困るのは水分と食事がまともに摂れなくなり体力が減退してしまうことです。
おなかが空いていても胃が押さえつけらえているため、たくさん食べられず食べると胸焼けをおこしたり、吐いてしまったりしてなかなか思うように食事をとることができません。
少しでも苦痛を改善できるように、いくつか「つわり対策」をご紹介しましょう。
- 食事は少しずつ、1日の食事を6回に分けてゆっくり食べる
- げっぷや胃液の逆流をおこす炭酸飲料はさける
- 食後2時間ぐらいは胃液の逆流を防ぐため横にならない
- 油っこいものはさける
- 辛い料理など刺激物はさけ
- 楽な姿勢で食べる(ソファー、もたれ掛るなど)
妊娠悪阻
気持ちが悪くても、体調が万全でなくても、水分が摂れていれば問題ありませんが、水すら受け付けなくなると「つわり」ではなく「妊娠悪阻」といいます。
これは病気として一般的なつわりとは、はっきりと区別されており早急に医師による治療が必用です。
次のような症状が出た場合は妊娠悪阻の可能性があります。一つでも該当する場合はすぐに医師に相談しましょう。
- 食事や水分がまったく摂れない
- 急激な体重減少
- 尿の回数が減る
- 肌の張りがなくなる
- 口の中が乾く
- 立ち上がるとふらついたり、目が回ったりする
妊娠悪阻はいわゆる脱水症状で、点滴や鎮吐剤などが処方されます。妊娠中に薬を服用することに抵抗のある方も多いですが、産婦人科医による安全性が確立された処方なので安心です。
まとめ
妊娠後期のつわりとの付き合い方
初期つわりとの違い
後期つわりの時期
つわりの対策
妊娠悪阻