妊娠初期に起きるつわりは、ホルモンのバランスがおかしくなったり、自律神経が乱れたりすることによって起きます。これまでいなかった「赤ちゃん」という自分ではない生命が体内に宿ることで、大きくバランスを調整する必要があり、一時的な不調としてつわりが起きますが、 妊娠後期 (8か月以降)になると、それもおさまり安定期に入ります。
妊娠後期のつわりの可能性と旅行の可否について
妊娠後期のつわりの原因
妊娠後期は安定期と呼ばれ、体調も穏やかになります。赤ちゃんを産む準備として、ここで吐き気や悪寒がないことは重要で、お母さんになるための準備期間を体が用意してくれるかのようです。いろいろと動きたい気持ちと、どんどん大きくなるお腹で物理的に行動が制限されることと上手に折り合いをつけていく時期です。
しかし、この時期でもつわりのような症状が起きる人がいます。吐き気や悪寒、胃痛などが症状なのですが、原因はホルモンや神経の乱れではなく、物理的にお腹の中で赤ちゃんが大きくなるため、子宮が押されてそれにともなって胃が上方に圧迫されるためにこのような感覚を得ることがあります。
胃が機能しづらい状態ですので、この時期のつわりが起きた場合、消化の良いものを分けて食べることが大切です。つまり、胃があまり活動しなくても大丈夫なように、胃の負担を減らしてあげるのです。病気などで胃を切除してしまった人の食生活などが参考になります。もちろん、赤ちゃんが産まれれば、元に戻りますので安心してください。
これはすべての人に起きるわけではありませんし、ホルモンなどの内分泌系の異常でも神経の乱れでもないため、出産まで何とか耐えないといけません。対処医療法しか解決法がないのが実情です。
妊娠後期の旅行について
妊娠前期のつわりがおさまれば、夫婦2人で旅行などに行くことを進める医師などもいます。これは、心身共にリラックスできる時間を作る大切さと、いざ出産後は育児などで時間を取られて、夫婦2人の時間が取れなくなることから、思いっきり楽しんでもらう時間を作る大切さによります。
子どもが産まれて家族が増えることは素晴らしい喜びでありますが、夫婦2人だけの時間を作るのはこれ以降容易ではなく、少なくとも子どもが独立するまで(20年程度)は難しいのです。当然20年後の自分たちは若い年齢ではないのですから、「今」を楽しむためにも旅行などをすることは重要なのです。
旅行先でのつわりの危険
とはいえ、妊娠後期でもつわりに似た症状が起きてしまうことを最初の項で述べました。もう妊娠8か月を超えてしまうと、いつ産まれてもおかしくありませんし、緊急の出産などの可能性もあります。
つわりがひどくなり、旅行先で産気づいてしまうことも可能性としてはあります。そのリスクをどう考えるかが重要です。まず、健康保険証や母子手帳は携帯しておくこと、そして、何かあった場合にすぐに病院などに行けるように、途中で対処できる移動手段を使うということです。自家用車や電車なら途中で何とかなりますが、飛行機だと降りることはできません。
食事についても旅行先で豪華なものを食べたい気持ちはわかりますが、胃に負担をかけることは得策ではありませんので、無理をせずさっぱりとしたものを食べたほうが、つわりや緊急出産のリスクを減らすことができます。
従って、飛行機を使う国内旅行はもとより、海外旅行もできるだけ避けたほうがリスクヘッジになるということです。ただ、思い出と天秤にかけてどう判断するかになります。つわりの気がないのであれば、産婦人科医に相談のもとで遠出もよいと思いますが、そうでない場合は旅行も近場にするのが賢明です。まずは、主治医に相談してみることをお勧めいたします。
まとめ
妊娠後期のつわりの可能性と旅行の可否について
妊娠後期のつわりの原因
妊娠後期の旅行について
旅行先でのつわりの危険