大切なお腹の赤ちゃんのために、どんな食事をとったらいいのでしょうか。昔、妊婦さんは2人分食べるように言われたものでした。しかし、栄養状態がいい現代人の場合、それでは太り過ぎて難産になってしまうこともあります。
ここでは、 妊娠中 の 食事 について考えてみましょう。
どこに気をつければいい?妊娠中の食事
バランスよく食べる
妊娠の有無にかかわらず、健康のためにバランスよく食べるのが基本です。
厚生労働省の「妊産婦のために食事バランスガイド」によるバランスのいい食事とは、コマの形をした逆三角形型の表にみる通り、一番上はエネルギーの元になるご飯やパンなどの「主食」、ビタミンやミネラルを補給する「副菜」、体の基礎を形成する肉、魚、卵や大豆などの「主菜」、「牛乳、乳製品」、そして「果物」をとるように推奨しています。
妊婦さんは、ご自分の健康だけでなく、赤ちゃんの発育に関わってくるのでプレッシャーを感じる人もいることでしょう。しかし、過度に心配せずに健康にいいと思われる食事をこころがけましょう。一汁三菜の和食を想像してみて下さい。
インスタント食品や油の多いファーストフードなどはなるべく避けましょう。当然、妊娠中の飲酒と喫煙もNGです。またコーヒーなどのカフェイン飲料も控えめにします。
鉄分、カルシウム、葉酸
食事で気をつけていても、お腹の中で赤ちゃんが成長するために不足しやすい栄養素があります。それは、「鉄分」と「カルシウム」です。また、特に妊娠超初期から「葉酸」の摂取をすすめられます。
まず「鉄分」ですが、妊娠中は注意していても鉄欠乏性貧血になりやすいのです。病院で貧血と診断された場合は、鉄剤を処方されることもよくあります。普段からレバーや卵、赤身の肉、ほうれん草やひじきなど、鉄が多く含まれる食品を偏りなく摂取しましょう。
次に「カルシウム」ですが、不足すると骨粗しょう症の原因になりますし、歯が悪くなることもあります。カルシウムは、チーズや牛乳、ヨーグルトなどの乳製品や煮干しなどに多く含まれています。
「葉酸」は、妊娠初期に赤ちゃんの脳や中枢神経の発育に必要なビタミンB群の一種です。主にほうれん草などの葉の野菜に多く含まれています。妊活中から摂取しておきたいものです。
これらの栄養素ですが、なかなか食品で摂りきれないことが多いため、補助としてサプリメントに頼ってもいいでしょう。
糖分塩分を減らす
普段から規則正しい食生活を送っていても、見落としがちなのが糖分と塩分の摂取量です。 特に塩分はとり過ぎると高血圧や妊娠中毒症候群になるきっかけになります。妊娠中は、1日の塩分量を10g以下におさえるようにしましょう。
普段から醤油や塩が食卓にある人は、片づけてしまいましょう。みそ汁はだしを濃くとれば、意外と塩気が薄くても食べられるものです。
日々の反復によって味覚は変化してきますので、妊娠を期に薄味の健康食に慣れてみましょう。同様に糖分も過剰摂取に気を付けたいものです。妊娠中期以降、体重が急激に増加して医者から注意される人が結構います。
体が疲れてくると糖分や脂肪分の多いスイーツを食べたくなりますが、高エネルギー食品を過剰摂取すると肥満になってしまいます。果物やふかし芋で代用するなどの工夫も大切ですが、どうしてもスイーツが欲しい場合は洋菓子よりは低カロリーの和菓子を選んでみましょう。
水分補給に気をつける
妊娠中は、身体が普段よりも水分を必要としています。妊婦さんは汗をかきやすい上に血液量が増加するため、さらさらの血を赤ちゃんに送るために日に2ℓ位の水分が必要と言われています。これは食事に含まれる水分も含めた量です。
食事の時にまとめて水分補給はできませんので、気づいた時に少しずつ、ノンカフェインのハーブティや麦茶、水などを飲みましょう。
妊娠中に健康的な食生活をこころがけて、習慣にしてしまいましょう。最初は大変かもしれませんが、健康的な食生活で安産を目指しましょう。
まとめ
どこに気をつければいい?妊娠中の食事
バランスよく食べる
鉄分、カルシウム、葉酸
糖分塩分を減らす
水分補給に気をつける