頭痛の症状がある人の8割は女性だというデータがあるほど、妊娠の有無に関わらず、女性は頭痛と深い関係があります。これは頭痛の原因に女性ホルモンの影響によるものが多いためです。
妊娠すると女性ホルモンのバランスが変わり、今まで頭痛とは無縁だった人も悩まされることがあります。妊娠中のため鎮痛剤を飲むわけにもいきません。 妊婦 の間、 頭痛 とどのように付き合っていけばよいのでしょう?
薬の飲めない妊娠中の、頭痛との付き合い方
妊娠中の頭痛の原因
妊娠中の頭痛の原因は、ホルモンバランスの崩れや血行不良によるものがほとんどです。妊娠すると体内は、赤ちゃんを育てる環境に変えるため、プロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンが急激に増加します。
この二つのホルモンは、胎児の成長には、なくてはならない存在ですが、頭痛などの体調不良や精神的に不安定な症状をおこす原因ともなっています。
また、血管が拡張して血流量が増えることで神経が圧迫されたり、体重が増え身体を支えるために無理な姿勢をとったりして、疲労が積み重なって血行が悪くなることでも頭痛はおこります。他にも、鉄分が不足することで貧血気味になることや寝不足、副鼻腔炎なども原因となることがあります。
妊娠高血圧症候群とは?
気を付けたいのは、妊娠高血圧症候群による頭痛です。妊娠するとどうしても高血圧になりがちですが、高血圧に加えて尿たんぱくが見られる時には妊娠高血圧症候群と診断されます。妊娠8か月以降でおこりやすく、約1割の妊婦が発症しています。
妊娠高血圧症候群の主な症状として、むくみ、頭痛、耳鳴り、しびれ、めまいなどがあります。症状が重症化すると母子共に命を危険にさらす、子癇・肺水腫・脳出血などの合併症を併発する可能性があるため、治療が必要です。
基本的には薬が使えないので食事療法で改善を図ります。重症の場合は入院をして降圧薬や鎮静薬などの薬物療法を行います。
頭痛をやわらげるためにできること
頻繁におきる頭痛を薬を使わずに改善する方法を試してみましょう。頭痛の原因によって対処の仕方も変わってきますので、まずは原因を探ってみましょう。
疲労や寝不足
とにかく睡眠時間をできるだけたくさん確保しましょう。上の子供の世話や仕事をしている人は特に時間が取りにくいかもしれませんが、すきま時間でも良いので少しでも横になってみましょう。
急激な体重の増加や運動不足
無理は禁物ですが、日常的に意識して歩くようにしたり、マタニティヨガなど軽い運動をすることで血行がよくなり頭痛も改善できます。また運動することで筋肉がほぐれ、肩こりや腰痛などの症状をやわらぎます。
水分不足
特に冬場はあまりのどが乾かないので、気が付けば半日何も飲んでいなかったということもあります。体内の水分が不足すると血液中の水分も不足し、血液がドロドロの状態になります。
血液の流れが悪くなると脳にも酸素が届かなくなり、酸欠状態となってしまい頭痛がおこります。水分はのどが渇く前に、こまめに摂るよう心がけましょう。
食事の改善
塩分の多い食事を摂っていると、妊娠高血圧症候群になってしまう恐れがあります。また妊娠中は大量の血液が必要となるため、体内の鉄分も不足しがちになり貧血をおこします。日々の食事で栄養のバランスを考えて、頭痛の原因となる症状を防ぎましょう。
副鼻腔炎の治療
妊娠するとホルモンバランスの崩れから鼻の粘膜がうっ血して鼻詰まりがおこりやすくなり、ひどくなると膿が溜まって副鼻腔炎になることがあります。
もともと鼻炎のある人も妊娠が原因で症状が悪化する傾向があるようです。副鼻腔炎になると激しい頭痛や顔面痛の症状があり、治療しない限り治りません。もちろん妊娠中は、薬による治療はできませんが、耳鼻科では膿の吸引とネブライザーで症状はかなり改善されます。
まとめ
薬に頼れない妊婦の、頭痛との付き合い方
妊娠中の頭痛の原因
妊娠高血圧症候群とは?
頭痛をやわらげるためにできること