妊婦 さんというと腰痛がつらくて大変そうというイメージがありますが、その中には 坐骨神経痛 の症状も知らず知らず含まれていることがあります。お腹が大きくなってくると腰や膝などからだのあちらこちらが痛くなってきますが、膝と比べて改善の余地が期待できるのが坐骨神経痛です。
億劫がらずにいろいろと試して、お腹の赤ちゃんと楽しく過ごせるようになりましょう。
妊婦さんの坐骨神経痛は改善できる?
ガマンする必要はない
妊婦なのだから多少のガマンは当然、ガマンできないのは母性が足りないからだなどと思いつめることはありません。坐骨神経痛は母性とは関係なく、妊婦さんならどなたでも発症する可能性があります。
妊娠すると出産に備えて「リラキシン」というホルモンが分泌されることによって骨盤が緩みやすくなります。この状態で赤ちゃんの体重が増加すると骨と筋肉の位置が外れてしまうのは仕方のないことです。
不安定になった骨盤周辺で妊娠中期~後期、臨月にかけて坐骨神経痛を引き起こします。出産間近なのだから痛くて当然、赤ちゃんに栄養をと食べ過ぎた自分のせいとは限りません。妊娠中もそれほど大変ではなかったという方もいらっしゃいます。運が悪かったとあきらめるのは早計です。
安静にしつつ試行錯誤
妊娠中は体調もメンタル面も不安定になります。何かといたわってくれる家族に感謝の気持ちが湧いてくる日もあれば、無神経な言動に落ち込むこともあるでしょう。そのような状況のご自身を客観視して、30分おきにリラックスタイムを取り入れるなどの工夫が必要です。
痛みにイライラしているのをすべて周囲のせいにしては、余計に痛みは増します。
長風呂はよくありませんが、ゆっくり入浴して効率的にマッサージを行いましょう。腰~下肢にかけて温めると痛みが和らぐのを実感できると思います。
また坐骨神経痛はツボを刺激することによって血流が改善されると痛みも緩和されることが多いので、試してみましょう。
大腸兪(だいちょうゆ)という腰のツボ、殷門(いんもん)というふくらはぎのツボ、委中(いちゅう)という膝裏のツボが位置がわかりやすく押しやすいです。
ただし自己判断でツボ押しをすると、思わぬ体調不良に見舞われることがありますのでまずは産婦人科の医師や専門の鍼灸院で相談したほうが良いでしょう。
そして向き不向きはありますが、妊婦さん向けの骨盤ベルトも市販されています。骨盤を補強して緩みを防止する目的です。装着してすぐに効果を実感できることは少ないかと思われますが、何度も鍼灸院に通うよりは経済的です。
最後に、お昼寝も含めて横になっている時間が増えますから、寝方の姿勢の見直しは欠かせません。妊婦さんには一般に、横向きでからだを曲げた体勢が最適です。
これで痛みやしびれがあるときは、痛みがあるほう、あるいは痛みの強いほうを上にして抱き枕などにしがみつくと少しは気が紛れます。
産後のイメージをしておく
出産したら坐骨神経痛も自然と治るというほど甘くはありません。努力しないと体型が元に戻らないように、気をつけないと慢性的な坐骨神経痛持ちになってしまいます。
ふだんの生活で赤ちゃんよりも重いものを毎日朝から夜中まで不定期に持ち上げることは滅多にありませんから、抱っこをしているだけでも症状は悪化します。
また、体力の低下や睡眠不足といったストレスによっても症状は左右されます。赤ちゃんがお腹にいる間にできる限り治しておいたほうが、産後の生活がとても楽しいものになります。
坐骨神経痛のせいで情緒不安定になり、後で振り返って産後半年くらいの記憶がない、というのはさみしいことです。あっという間に大きくなっても小学校低学年くらいまでは抱っこやおんぶをする機会はあります。
産後10年の備えを怠らないようにしましょう。
まとめ
妊婦さんの坐骨神経痛は改善できる?
ガマンする必要はない
安静にしつつ試行錯誤
産後のイメージをしておく