緊急帝王切開と帝王切開はどう違うの?と思う方もいらっしゃると思います。帝王切開は妊婦健診などの結果から医師と相談をして、計画的に行います。緊急帝王切開は、経膣分娩予定の妊娠経過中や分娩途中に、何らかのトラブルによって急遽執り行う手術のことです。
緊急帝王切開 になるケースとして、胎児の元気がなくなってしまう、胎児の体が膣を通って降りてこられなくなる、などがあります。また、母親の体調によって医師の判断で経膣分娩から帝王切開になることもあります。これは誰にでも可能性があることで、特に珍しい状況ではありません。
緊急帝王切開?もしものために知っておきたいこと
母子の命を守る処置
緊急帝王切開は、母体または胎児に危険が迫る状況の時に行われます。 妊婦健診などで健康である・リスクが低いと判定されても、 分娩が始まってから緊急帝王切開に切り替わるケースは2%くらいあるそうです。
緊急帝王切開になった場合、夫や家族もしくは本人に手術同意書(承諾書)にサインを求められます。それは分娩前の場合も考えられますし、分娩中の場合もあります。よほどの緊急事態でなけでば、同意書へのサインなしで手術が行われることはありません。
その場その時の慌ただしい状況の中で同意書の内容を確認することになる可能性もあります。緊急帝王切開になってしまったことを考え、事前に同意書について医師に確認したり、調べてみるといいかもしれません。
どんな時に手術が必要になるの?
緊急帝王切開が必要となるケースを簡単にご紹介します。
胎児機能不全
分娩中に時々起こる合併症。赤ちゃんが十分に酸素を受け取れない状態になり、元気がなくなって弱ってくる状態のこと。
常位胎盤早期剥離
分娩前に胎盤が子宮の壁から剥がれてしまう状態こと。子宮内で大量に出血が起きて母体にも影響がでるため、すぐに赤ちゃんを取り出す必要がある。
妊娠高血圧症候群
妊娠中毒症。妊娠20週目以降から分娩後12週までの間に、高血圧あるいは高血圧に尿タンパクを伴う状態をいいます。
微弱陣痛
陣痛が始まってから何らかの原因によって陣痛が弱まり、陣痛周期が長くなってしまう状態のこと。陣痛促進剤を使う場合もありますが、効かない場合は医師の判断で緊急帝王切開となることもあります。
遷延分娩
子宮口が硬くてなかなか開かず、初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上かかる状態のこと。
回旋異常
赤ちゃんは少しずつ体の向きを変えながら(回りながら)産道を降りてきます。この運動が正常に機能しない状態。
明るい未来を思い描いて
出産を終えてから、帝王切開だったから普通に産んであげられなかった。そんな風に悩み、自分を責めてしまうママもいます。また、経膣分娩にこだわるあまり帝王切開での出産を偏見の目で見る人もいるかもしれません。
もしそんな人に出会ってしまったとしても、科学的根拠のない感情論に振り回される必要はありません。医師が下した「赤ちゃんとママにとっての最良の選択」に、何の文句があるというのか。
大切なのは「出産の方法」ではなく、「母子ともに無事で出産する」ということ。帝王切開だからとか経膣分娩だからとか、これから赤ちゃんを育てていく上でそんなことは全く関係のないことです。
我が子への愛情はみな同じです。帝王切開も経膣分娩も、どちらも同じように尊いのです。無事に子供を産んだということに変わりはありませんよね。どんな出産方法であっても、ママが命懸けで産んだのですから!
帝王切開を体験したママ同士で気持ちを分かち合うコミュニティもあるようです。もし何か心配なことや悩みを抱えている人は調べてみてはいかがでしょうか。
まとめ
緊急帝王切開?もしものために知っておきたいこと
母子の命を守る処置
どんな時に手術が必要になるの?
明るい未来を思い描いて