最近頻繁にお腹が張って心配だという妊婦さんはいませんか。妊娠22週以降で、正期産になる37週以前に出血や子宮収縮、子宮口が開くなど出産が始まる傾向が出てきてしまうことを切迫早産と言います。ちなみに22週以前は切迫流産と言います。
切迫早産と診断されると、医師から「ウメテリン」という薬を処方され絶対安静にしなければなりません。入院して点滴する場合もあります。ここでは、 早産治療の薬 「 ウメテリン 」についてみてみましょう。
健康な赤ちゃんに会う為に…早産治療の薬ウメテリン
ウメテリンの成分、効能
「ウメテリン」(ウメテリン錠5mg)はキッセイ薬品工業の製品名で、製薬会社によっては主成分でもあるリトドリン塩酸塩、または塩酸リトドリンと言うこともあります。効能についてみる前に、どうしてお腹がはってしまうのか考えてみましょう。
就寝中など体を休ませている時には、自律神経の一つである副交感神経が体を休ませ疲れた体を修復させようとします。そして内臓の働きを活性化させます。実は、子宮周辺の臓器が活性化されると、子宮も収縮しやすくなってしまうのです。
ウメテリンは、結果的にお腹の張りや子宮の収縮を促してしまう副交感神経の働きを抑える為に、対極である交感神経に刺激を与えます。
交感神経が優位になると体が活動モードになりますが、子宮の表面にあるアドレナリンβ受容体が刺激され異常に収縮している子宮の平滑筋を弛緩させる作用があるのです。その結果お腹の張りや収縮が改善されるという訳です。
ウメテリンの副作用
体を活動的にするウメテリンですが、一方で、何もしていないのに運動をしているようなものなのです。ウメテリンを服用すると、動悸や息切れ、手足の震えや吐き気を催す人がいます。これらは、ウメテリンの副作用です。
1日の服用回数、服用量、体質などによって副作用の出方は変わってきます。どんな薬にも効果が期待できる一方、副作用があるのは仕方がないことですが、副作用が酷く日常生活を送れないほどであれば、医師に相談しましょう。
また、多くの妊婦さんが胎児への影響を心配するのではないでしょうか。妊娠中は妊娠前よりも弱い薬を処方されがちですので、副作用があるこの薬について心配になるのは当然です。
しかし、ウメテリンは長年早産傾向のある妊婦さんに投与されていますが、現在まで胎児への影響は報告されていません。それよりも、服用しないことによって早産になってしまうリスクを考えた方がいいでしょう。
ウメテリンが効かない人も
中にはウメテリンが効かない人もいます。体質的にこの薬が合わないという場合もありますし、服用間隔や服用量が合っていない場合もあります。また、飲み合わせの関係から、柑橘系のジュースなどを飲んだ後に服用すると、効果があまり期待できないこともあります。
どのような理由にしろ、切迫早産の症状が緩和しない場合は医師の診断を仰ぐのが大切です。状況によっては入院し、ウメテリンを点滴で投与するほうが効果は期待できます。また、別の張り止め薬を処方してもらってもいいでしょう。くれぐれも自己判断で薬を調節しないようにしましょう。
無理のない妊娠生活を
ウメテリンを飲むきかっけになる切迫早産の原因に、妊婦さんが妊娠中毒症であること、疲労が溜まっていることなどがあげられます。また、生殖器に細菌感染がある人や、初産婦よりも経産婦のほうがなりやすいです。勿論、胎児側に問題がある場合もあります。
原因をはっきりと突き止めるのは難しいのが実情です。妊婦検診を欠かさずに、普段から無理のない妊娠生活を心掛けましょう。それでも少し無理をしてしまった結果切迫早産と診断されても、自己嫌悪になる必要はありません。
辛抱強くウメテリンと付き合いながら、正期産を目指して欲しいものです。可愛らしい赤ちゃんの誕生まで苦労は尽きません。しかし、健康に生まれてきてくれた時この上ない至福感と達成感が待っていることでしょう。
まとめ
健康な赤ちゃんに会う為に… 早産治療の薬ウメテリン
ウメテリンの成分、効能
ウメテリンの副作用
ウメテリンが効かない人も
無理のない妊娠生活を