立ちくらみがしたり、めまいがすると貧血ではないかと疑いませんか。貧血の中でも最も代表的な貧血が 鉄欠乏性貧血 です。これは女性の10人に1人程度が該当すると言われています。 治療 には鉄剤が処方されることが多いですが、その治療は本当に正しいのでしょうか。
その治療、鉄欠乏性貧血に有効ですか
不適切な治療の実例
医師の指示に従っているにもかかわらず、症状の改善がみられないことはありませんか。鉄欠乏性貧血の治療で以下のような不適切な治療を受けてしまっている人もいます。
- 鉄欠乏を伴わない他の原因による貧血に対し鉄剤が漫然と長期間投与されている
- 原因追及がされないまま治療されている
- 貧血が改善された時点ですぐに鉄剤の投与が中止され、再発を繰り返している
- 軽度ないし中度の貧血に食事療法のみで鉄剤が投与されていない
- 不要な輸血がなされている
このような治療の原因は、鉄欠乏性貧血の確定診断が難しくなく、鉄剤の投与で症状が容易に改善するため、内科以外でも充分診療可能であるからです。それ故に一般医家の鉄欠乏性貧血に対する関心も薄いからではないかと考えられています。
貧血の原因を特定しよう
貧血の主な原因は鉄分の不足です。血液の成分の一つである赤血球は酸素を運ぶ役割を果たしています。赤血球の中に含まれるヘモグロビンが酸素と結合し肺から取り込まれた酸素を体中に運びます。このヘモグロビンを作るのに必要なのが鉄なのです。
血液検査でヘモグロビンの数値が規定値より低いと貧血と判断され、鉄剤を処方されることが多いです。しかし、大切なことは、まず貧血の原因を特定することです。原因がハッキリしていないにもかかわらず、鉄剤をいくら飲んでも症状は改善されません。
例えば、女性であれば子宮筋腫や子宮内膜症などによる月経過多、胃がんや大腸がんからの出血など危険な病気が原因となる場合もあります。貧血の他に気になる症状が少しでも出ている場合は、医師に相談することをお勧めします。
鉄剤の服用
鉄欠乏性貧血の治療としては一般的に鉄剤を1日1~2回内服します。
鉄剤を服用していると便が黒くなる、ものを噛むと金属の味がする、消化器症状がおこる(吐き気、便秘、下痢、胸やけなど)といった副作用がおこりやすくなります。副作用が強く出る場合には鉄剤の種類を変更することがあります。
食事で鉄欠乏性貧血を予防しよう
毎日の食事に気をつけることが大切です。朝、昼、晩と3食をきちんと欠かさず取り、バランスの良い食事を心がけましょう。過度なダイエットや偏食によって鉄分不足が起こります。
女性の場合、月経があり、妊娠中や授乳中に胎児や母乳により鉄分をとられるので鉄不足となりやすいのです。
鉄分が豊富に含まれている食材を摂取しましょう。鉄分には、レバーやカツオなど肉類、魚介類に多く含まれるヘム鉄と、ホウレンソウなど緑黄色野菜に多く含まれる非ヘム鉄の2種類があります。
一般的に吸収が良いのはヘム鉄です。非ヘム鉄は吸収が良くないので、ビタミンCを一緒に摂取するとより効果的です。ビタミンCには鉄吸収を助ける働きがあります。
慢性的な症状になる前に
鉄欠乏性貧血は実に多くの人が悩んでいます。毎日の食事で予防することが大切ですが、3食バランスのとれた食事を作ることは大変です。そのような時は鉄分のサプリメントを活用しましょう。鉄分のサプリメントはスーパーやドラッグストアで買うことができます。
しかし、そのため軽度な症状であれば「貧血だからサプリメントを飲んでおこう」と自己診断で済ませてしまいがちです。病院へ行っても、医療が進歩している現代では内科以外でも診療可能なため、中には不適切な治療を受けてしまう人もいます。
自分の症状を見直し、治療方法に疑問を感じたらセカンドオピニオンを受けましょう。鉄欠乏性貧血の背景に危険な病気が隠れている可能性もあるので、貧血が原因ではなく、病の結果として貧血が起こっていると捉えると良いでしょう。
まとめ
その治療、鉄欠乏性貧血に有効ですか
不適切な治療の実例
貧血の原因を特定しよう
鉄剤の服用
食事で鉄欠乏性貧血を予防しよう
慢性的な症状になる前に