女性にとって出産は人生の中で大きな転機となる一大イベントです。もうすぐ赤ちゃんに会えるというワクワクした気持ちとは裏腹に、精神的にも体力的にも大きな負担になることは確かであり、不安な気持ちも抱えています。
誰だってできるだけ楽に、自然分娩で出産したいと思うものですが、妊婦の健康状態や胎児の状態によっては帝王切開で出産する場合があります。 帝王切開 の出産と自然分娩にはどんな違いがあるのでしょう?
ちょっと不安な帝王切開
帝王切開になる確率
帝王切開による出産は年々増加しています。2011年の統計では妊婦の5人に1人(およそ16%)が帝王切開の手術を受けています。出生率は減少しているのに帝王切開が増えている理由は、リスクを伴う出産が増えているためだといえます。
一番増えている要因は晩婚による初産婦の高齢化です。高齢出産は合併症や分娩異常などのリスクを伴うことや、不妊治療により多胎児が増えていることで予定帝王切開が選択されます。
また、妊婦健診で逆子や全治胎盤など、自然分娩が難しいと医師に判断された場合も予定帝王切開となります。また自然分娩の予定の場合も出産の際に母体や胎児に危険が生じた場合は、緊急で帝王切開の手術をおこなうこともあります。
出産が始まってから緊急帝王切開になるケースは出産全体の2%ほどです。一度、帝王切開で出産したら次回以降も帝王切開での出産を進められることが多くなります。これは一度開いた部分の肉厚が薄くなっているため、胎児が大きくなると破裂する危険性があるからです。
しかし設備が整った病院によっては、自然分娩で出産できることもありますので、自然分娩を望んでいる場合は医師に相談してみましょう。
帝王切開の流れ
予定帝王切開の場合は、妊娠35~36週の検診の状態で手術日を決定します。手術日は37~38週目で陣痛がおこる前におこなわれ、入院するのは手術日の前日となります。
手術は母体や胎児に異常がない限り局部麻酔でおこないますので、赤ちゃんの産声を聞くことができます。手術後は1~2日間は安静にして過ごします。
3日目からは自然分娩の人と同じように生活します。傷口が抜糸されればシャワーを浴びることもできます。特に問題がなければ7~10日で退院となります。
帝王切開に掛る費用
帝王切開は自然分娩より、入院期間が長くなることや手術が発生することから出産費用が高くなります。
入院する病院や手術内容によって金額に幅はありますが、入院期間は6~10日で1日当たり1万円、一般的な帝王切開の手術費用は22万6千円と決まっており、この内自己負担は3割となっているのでおよそ6万7千円です。この他にお腹の傷口の治療費用が追加され合計は50~70万円になります。
戻ってくるお金
出産費用は大きな負担となりますが、帝王切開の場合は手術に関しては保険が適応され負担額が減り、個人の生命保険や医療保険に加入していると給付対象となり給付金が支給されます。
また自然分娩の場合も帝王切開の場合も42万円の出産育児一時金が支給されます。この他にも、高額医療費控除の対象となりますので確定申告で申請すれば還付されます。このような制度をうまく使えば黒字になるケースもありますので、調べてみましょう。
帝王切開は1度おこなうと2度目以降も帝王切開での出産になる可能性が高くなるため、医療保険や生命保険は1度目の前に加入していないと給付されない可能性があります。
これは保険加入時の告知の時点で「妊娠または子宮の疾病は保障の対象外」という規約対象にされてしまうためです。妊娠の経過が順調でも帝王切開はだれにでも可能性があるので、妊娠前に加入しておきましょう。
まとめ
ちょっと不安な帝王切開
帝王切開になる確率
帝王切開の流れ
帝王切開に掛る費用
戻ってくるお金