妊婦さんは、お腹の赤ちゃんが元気に育っているのか気にしているものです。高齢出産の人や既往歴がある人は、特に心配になってしまうでしょう。そのせいか、最近胎児ドックを受ける人が増えてきているといいます。
今回は、 胎児ドック についてみてみましょう。
受ける人が増加中!胎児ドック
胎児ドックとは
妊婦さんなら、「胎児ドック」という言葉を耳にしたことがある人が多いと思います。
胎児ドックとは、お腹の赤ちゃんの成長ぐあいや病気、障害の有無などを調べる検査で、胎児スクリーニング検査ともいわれます。血清マーカー、 超音波検査 、羊水検査、絨毛検査 などで胎児について調べる出生前診断です。
検査と言えば、妊婦検診でも赤ちゃんの状態をみることができますが、胎児ドックとの違いは何でしょうか。胎児ドックでは、 時間的技術的に限界がある妊婦検診に対し、胎児の状態を最先端の超音波検査でくまなく調べることができます。
海外イギリスでは、妊婦検診とは別に胎児スクリーニング検査を専門的に行う施設があり、そこで検査を受けるシステムになっています。日本でも需要の増加と共に、検査専門のクリニックや胎児スクリーニング検査対応の病院が少しずつ増えてきているようです。
妊娠初期の胎児ドック
胎児ドックでは、妊娠初期と中期でできる検査が決まってきます。まず、妊娠初期(11~13週位)の場合、 染色体異常の可能性をみる検査に重点を置いていきます。 主にダウン症や13トリソミー、18トリソミーなどの可能性をみる精密超音波検査と、血液検査で血清マーカーを調べます。
この時点で染色体異常の可能性があると判断された場合は、次のステップとして絨毛検査で赤ちゃんの細胞を採取して検査することをすすめられます。
絨毛検査では、超音波で胎盤の位置をみながら子宮頸部にカテーテルを入れるか、妊婦さんのお腹に針をさして絨毛を採取、培養して染色体の異常を検査します。
妊娠中期の胎児ドック
中期の胎児ドック(20~30週位)は、赤ちゃんが大きくなってきていますので、超音波検査で赤ちゃんの体を更に細かく見ることができます。病院にもよりますが、3Dや4D画像の精密超音波検査で胎児の大きさや、形状、骨格や内臓などの発育状態を確認します。
妊娠25週前後は、赤ちゃんの内臓や心臓などの臓器の様子が見やすくなっています。 中期の胎児ドックの目的は、赤ちゃんがお腹にいるうちから異常をみつけておくことにあります。
万が一赤ちゃんに異常があっても、誕生後すぐに対応できるというメリットがあるためです。治療やサポート体制、また妊婦さんの出産方法や心の準備も含めて、事前に病気や異常を見つけることで、万全な体制で臨めるというわけです。
受ける?受けない?費用は…?
胎児ドックは妊婦検診とは違って、受けなければいけない検査ではありません。オプションであるため、検査費用は保険適用外になります。クリニックや検査内容によって金額は変わってきますが、羊水検査や絨毛検査が入らなければ2万円~5万円位が相場のようです。
もしあなたに先天的な障害をお持ちの家族がいる、高齢出産である、持病があるなど不安要素があるなら、検討されてみてはいかがでしょうか。
ただし、一方でお腹の赤ちゃんに異常がある可能性を見つけた時について、前もってパートナーと話しておきましょう。特に初期の検査の場合、妊娠を継続するかどうかの問題にまで発展してしまうことがあるためです。
また、胎児スクリーニング検査の精度は100%ではありません。検査で問題なかった場合でも生まれてから異常を発見することもあります。もし、あなたが胎児ドックを受けるか悩んでいるのなら、検査をする目的について考えた上で最善の選択をしましょう。
まとめ
受ける人が増加中!胎児ドック
胎児ドックとは
妊娠初期の胎児ドック
妊娠中期の胎児ドック
受ける?受けない?費用は…?