妊娠して改めて妊娠を実感する瞬間といえば、産婦人科の検診で初めて胎児の心音を聞いたときではないでしょうか。 胎児 の 心音 を聞き自分が1人の母親として、これから生まれてくる子供への愛情と同時に、重く責任がのしかかる瞬間でもあります。
胎児と母体がつながる心音
そもそも胎児の心音とは
お腹の中の赤ちゃんの心臓の音のことを心音といいます。また、胎児の心音は胎動より早く感じることができます。心音は心拍ともいいます。
胎児の心音の聴取方法
胎児波ドップラー
超音波を使って胎児の心音をきく機械のことです。母体に人肌の温かさのジェルを塗り、プローブとよばれる超音波深触子を当て、赤ちゃんの心音をききます。
超音波ドップラー法では、早ければ妊娠9週から、妊娠12週ではほぼ全例に胎児の心音が聞くことができます。胎児の心拍数は毎分110~160で、母体の脈拍数より多いです。母体が頻脈のため区別がつきにくいときは、母体の脈拍を触れながら胎児の心拍を聴取します。
最近では、自宅で胎児の心音をきくことができる機械が、ネット通販などで購入することができます。値が張るイメージをもたれる方が多いと思いますが、値段は購入先によって異なりますが、数千円程度で購入することができます。
胎児の健康状態を知るには
NST
このNSTとはノンストレステストの略です。陣痛がない状態、つまりストレスがない状態で胎児が元気かどうかを調べます。妊娠後期になると、ほとんどの人が経験します。NSTは、胎児の健康状態を即時に知ることができる方法として広く用いられています。
胎児の心拍数並びに子宮の収縮を、母体の腹壁に装着されたトランスデューサーを介して20~30分以上にわたり、持続的に記録します。母体が胎動を感じたら、ボタンを押します。機種によっては、ボタンを押す必要がない場合があります。
つまり、1つは胎児の心音をとるためのセンサーで、もう1つはお腹の張りを調べるセンサーの2つをつけます。
胎児は20分おきに寝たり起きたりを繰り返しています。胎児が寝ているときと起きているときの心音を確認するために、長ければ1時間程かかる場合もあります。胎児が寝ているために胎動がないときは、お腹をさするなどの軽い刺激を与えて、胎児を起こして観察する場合があります。
また、胎児が双子の場合は胎児心音をとるセンサーをつけます。三つ子なら、3つのセンサーをつけます。
検査時の姿勢
仰向けで寝て行うか、仰臥位低血圧症候群を防ぐために、背もたれが倒れているリクライニングチェアでセミファーラー位を保ち、行う場合が多いです。母体がリラックスして行うことが大切なため、お腹が大きくて苦しい場合は姿勢を変えるなどをして行います。
検査をする部屋には、本や雑誌、オルゴールなどの音楽がかかっているのでリラックスして、検査を受けられます。身体の近くに機械があるため、胎児の心音をきくことができます。
NSTの正常
胎児の心拍数が110~160bpmの範囲内にあること、グラフ上での基線の幅が5bpm以上で細かく変動していること、胎動に合わせて一過性頻脈つまり、胎児の心拍数の上昇が15bpmで15秒以上続き、20分間に2回以上あること、一過性徐脈がないことが判断基準です。
胎児の異常な心拍
胎児の心拍数が1分間に180回以上ある状態が続くと、胎児頻脈性不整脈が疑われます。この胎児頻脈性不整脈は、自然によくなることがあります。
しかし、自然によくならない場合は、胎児のお腹などに水がたまり全身が浮腫んでしまう、胎児水腫になってしまう可能性があります。胎児水腫になると、胎児が生まれる前や生まれてからすぐに命を落としてしまうことがあります。
妊婦検診
産婦人科などのかかりつけの病院で検診の際に、胎児の異常にいち早く気づくことができるように、普段から些細なことでも心配事を相談しましょう。医師から問題があると言われなければ心配ありません。
看護師さんや助産婦さんが、身体の心配ごとだけではなく、家族のことや出産後の不安なことなど、とても親身になって話を聞いてくれます。
定期的な妊婦検診は欠かさずに必ず通いましょう。
まとめ
胎児と母体がつながる心音
そもそも胎児の心音とは
胎児の心音の聴取方法
胎児の健康状態を知るには
胎児の異常な心音
妊婦検診