不妊治療の最終段階ともいえる体外受精とは一体どのようなものなのでしょうか?その言葉は聞いた事があっても内容はよく知らないという方がほとんどなのではないでしょうか。治療にかかる費用は?妊娠成功の確率は?あなたがもし体外受精を考えていたら、治療を受けるために一歩踏み出すと言うことはとても勇気のいることです。体外受精 をよく知り 流れ を把握した時、あなたはどんな答えをだしますか。
体外受精の流れを知ろう
体外受精とは
体外受精とは、女性の卵子を取り出して男性の精子と組み合わせて受精卵をつくり、それを子宮に戻すというものです。言葉で言ってしまうと簡単なことのように思えますが、成功への道のりは決して安易なものではありません。
不妊治療での一つ前の段階である人工授精は、ただ精子を子宮にいれ「受精」と「着床」は自然にまかせるのに対し、体外受精では、読んで字の如く、「受精」の状態まで行ってから子宮に戻すので、後は「着床」さえ出来れば妊娠成功というわけです。よって人工授精よりも妊娠成功の確率は高くなります。
※人工授精の場合
タイミング法によって精子を子宮に入れる → 『受精』 & 『着床』
※体外受精の場合
受精までを確実に行って子宮に入れる → 『着床』
体外受精に踏み出すカップルの多くは、タイミング法、人工授精の経過を通ってきます。例外として卵管性の不妊や男性不妊の場合、早期から体外受精を受ける事になるのです。しかし体外受精が万能であると思うのは間違いです。受精を確実にしてもらえるといっても、難関なのは実は着床の方なのです。不妊で悩む多くの女性は受精をせっかくクリア出来ても着床できず流れてしまうのです。
そして忘れてはいけない問題が「治療にかかる費用」「心身の負担」です。体外受精の治療は、それまでの不妊治療とは比べ物にならない程のお金、ストレスがのしかかってきます。ではどの位の費用がかかるのか見て行きましょう。
体外受精の費用とストレス
体外受精の治療は一回受けると約30万円から50万円かかります。この開きは何かと言うと、この治療は健康保険の対象外のため「自由診療」となることから生じます。各クリニック、病院によってその費用が異なるのです。この額はあくまでも平均的なもので、もっと安くなる場合もあれば更に高額になる場合もあります。たった一回の治療にこれ程の額がかかるのです。かなりの負担と言えますよね。
更に、体外受精を受けるためには、いわゆる「準備費用」もかかります。これもクリニック、病院によって金額や実施されているかどうかは異なりますが、一般的なものをあげてみます。
- 通院費 2,000円~4,000円
- 使用する卵子、精子の質を上げる薬代
- 精子の凍結料 10,000円~40,000円
上記以外でも当日に自然排卵を抑えるために使用する点鼻薬が8,000円位、元気な精子をピックアップして使用する顕微授精30,000円位など、成功の確率を上げようと思えば思うほど、その金額も比例して高額になっていきます。不妊治療=高額のイメージは決して間違ってはいないようです。
ざっと挙げただけでも驚きの数値になりますよね。これがたった一回の治療にかかる金額です。言うまでもなく妊娠が成立しない場合も戻って来る事はありません。それどころか次回のための費用が再び必要となるのです。治療のたびに期待し成功しなかったときの絶望はかなりのストレスとなって跳ね返ってくるはずです。このストレスはホルモンバランスに悪影響を与え、さらに成功の確率を下げてしまうのです。
体外受精の治療を受けるには、それなりの覚悟と強い想いが必要になるようです。
体外受精の流れ
これまで体外受精はどのようなものかを述べてきましたが、これらの現実を知ることは治療の流れを知る入り口だと思ってください。
では実際の治療の流れを順番に見て行きましょう。
- 排卵誘発
注射や飲み薬を使い、より多くの卵子が採取できるように準備します。 - 卵子、精子の採取
卵子の採取は、麻酔をかけて行うことが一般的のようです。精子も当日に採取、または凍結の場合は解凍し使用します。 - 受精
採取した卵子と精子を受精します。 - 胚の培養
受精卵を培養液で培養し、この段階で「胚」と呼ばれるようになります。 - 胚移植
いよいよ胚を一つ子宮膣内へ戻します。多くの胚を戻せば妊娠の成功率も上がるのですが、多胎妊娠につながってしまうため原則一つと決まっています。 - 約二週間後に妊娠判定を受けます
いかがでしょうか、これが大まかな流れです。治療を受けるのならば、あなただけではなくパートナー、そして周囲の協力も必要になってくるはずです。あなたにとって体外受精が本当に必要かどうかきっちりと考える時間も大切です。
これまで体外受精のデメリットを中心に治療の流れを紹介してきましたが、それでも受けたいという想いがあなたに残っているならば、悔いのないように治療に向き合うべきではないでしょうか。体外受精によって得られる命があるというのも確かなことです。そしてそれはあなたにとってかけがえのない宝物になるはずです。
まとめ
体外受精の流れを知ろう
体外受精とは
体外受精の費用とストレス
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