染色体異常が原因のターナー症候群をご存知でしょうか?染色体異常といえば「ダウン症」と思う人が多数でしょう。ダウン症だけではなくて、染色体異常の1つに「ターナー症候群」があります。
今回は、 ターナー症候群 について、詳しく説明します。
ターナー症候群とは何か
ターナー症候群とは
通常、女性の染色体がX 2本に対して1本しかないことにより発生する女性特有の疾患です。外見からは分かりませんが、さまざまな症状が認められます。
ターナー症候群は98%が胎児の時に流産してしまい2000人~3000人に1人の確率で発症します。
ターナー症候群の症状
女性ホルモンの低下や低身長がターナー症候群の主な特徴です。重度の場合、新生児期から手足のむくみ、耳の変形、肘より下の部位が反り返るという奇形があるので病気に早く気づくことができます。
軽症の場合は外見が普通の事から気づきにくく、成長過程で色々な症状を感じ病院を受診する方が多いです。思春期になっても胸が膨らまず、生理が来ない、または陰毛の発生が無いという方は女性ホルモンが原因で起こります。
なかには生理が発症する方もいますが、すぐに止まってしまうので妊娠をすることが難しく、成人期になると骨粗鬆症や糖尿病の合併症があらわれるために妊娠や出産が余計に難しいとされています。
ターナー症候群の合併症
ターナー症候群の女性は産まれてから成人するまで一般の女性に比べて合併症にかかりやすく注意が必要です。合併症の症状を幾つか紹介します。
まずは難聴と中耳炎で、最も合併症率が高く特に子供の内に中耳炎にかかりやすく、何度も中耳炎を繰り返すことで難聴になりやすいと言いますので幼い頃から耳鼻科を定期的に受診しましょう。
次は骨粗鬆症で、女性ホルモンが低下すると閉経後の女性と体が同じ状態になっていますので、きわめて発症率が高いといえます。
最後は糖尿病で、ターナー症候群は身長が伸びずとも体重が増加しやすい傾向にあり、肥満が原因で糖尿病の合併症が起こるので体重管理をしっかりしましょう。
最後に妊娠と出産ですが、自然妊娠率は極めて低く仮に妊娠できたとしても流産や死産、胎児異常が多いので注意が必要です。
ターナー症候群の方へ卵子提供プログラムで不妊治療
強く妊娠を望む場合に現在「卵子提供プログラム」があり、ターナー症候群の多くの方が出産に成功しています。
ターナー症候群の方は卵巣が上手く機能しないので中々出産に繋がりませんが卵子提供プログラムは第3者の方から卵子をもらい、夫の精子とドナーの卵子を人工授精し、その後自分の子宮へ受精卵を入れて出産まで育てます。
自分の卵子ではありませんが子供は実子として戸籍に載る他に、体内で10カ月育てるのは自分ですから実の子供となんら変わりはありません。
ターナー症候群の治療費
ターナー症候群は発症した時点で成長ホルモンの投与という治療方法を長い期間行わなければなりません。成長ホルモンは非常に高価なうえ、長期に渡って治療するとなると治療費が気になるかと思います。
治療費には幾つかの助成制度がありますので紹介します。まずは「小児慢性治療特定疾患の医療費助成制度」で、長期治療を必要とする小児疾患へ公費による医療費助成制度を受けることが可能です。
ただし1年ごとに更新し、保護者の所得に応じても自己負担額が変わりますので厚生労働省や保健所へ問い合わせましょう。次に「特定疾患における医療費助成制度」という制度で医療費の一部を国または都道府県で負担してもらえる制度です。
ターナー症候群は難病ですが妊娠する事も可能ですので、女性ホルモンの治療をしっかり続け合併症にならないように定期的に検査をしましょう。健康な体を維持することで妊娠・出産へとつながりやすくなります。
まとめ
ターナー症候群とは何か
ターナー症候群とは
ターナー症候群の症状
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