胎動とは、お腹の中で胎児が動く様子をいい母体はその動きを胎動として感じることができるのです。妊娠5カ月ごろから胎動は感じられるようになり、胎児の成長に伴って感じ方は変化していきます。
今回は、 胎動 の変化から 出産 の 兆候 を感じ取るためのポイントについて解説します。
胎動の変化からみる出産の兆候
出産が近づくと起きる胎動と母体の変化
出産予定日はあくまでも目安のため、実際の出産日は多少前後します。実際には、出産予定日の3週間前から出産予定日の2週間後までは正期産といわれ、正常な出産の範囲とされているのです。
そのため、予定日にとらわれることなく妊娠36週に入ったら週に1度の定期検診をしっかりと受け、出産に準備するようにしましょう。出産が近づくと胎動に変化がみられます。胎動が少なくなり、胃のあたりがすっきりとした感じになります。
また、母体は尿がちかくなり排尿後もまだ残っているように感じる人もいるでしょう。腰のまわりに鈍い痛みを感じ、ももの付け根が押される感じがして膣や外陰部からの分泌が増えてきたら出産の前触れと考えて間違いないはずです。
胎動が減る理由
出産の兆候として、胎動が減る人が多いです。これは、胎児は通常子宮内で頭部を下に固定しているのですが、妊娠後期に入ると出産に備えてさらに頭部を骨盤内に深く入れ込み始めるためです。そのため、母体は胃のあたりが空いたように感じるのです。
胎動は減ってきますが、同時に短く不規則な痛みやお腹の張りを感じるようになります。これは前陣痛といわれるもので、子宮の張りによって胎児の頭部が骨盤内にどんどん押し込まれ卵膜内の羊水に静水圧がかかるのです。この静水圧によって子宮口は徐々に広げられていきます。
胎動よりも子宮の張りが強くなり始めたら出産の開始
出産の兆候は「胎動が減り、子宮の不規則な張り」を感じ始めることです。そしてある時期から子宮の収縮が急激に増強し規則的になって、母体自身もお腹の張りが強くなったと自覚し始めるようになります。
お腹の張りが強くなり定期的な痛みとなってきたら陣痛と考えていいでしょう。陣痛により羊水の入った卵膜の袋が、子宮内の胎児の頭部によって楔のように固定されていきます。
子宮口に胎児の頭部が固定されると、胎動はほとんど感じることはありません。その後は、胎児の頭部に押されて子宮口は最大10センチまで拡大されます。
出産の兆候とは関係なく胎動が減る場合
一般的には、出産間近になると胎動が減るといわれていますが出産間近まで胎動を感じる人もいます。また、出産の兆候とは関係なく胎動が減っている場合には胎児に異常が起きているサインのため早急に産婦人科を受診するようにしましょう。
妊娠36週の胎児は30分間で約10回程度動くといわれています。胎動として母体が感じられるには大きな動きである必要があるため、1時間に10回程度の胎動を感じることができれば問題ないでしょう。
胎動を数える場合は静かな場所でお腹を上にして横になり、集中して数えるようにします。胎児は30分程度の間隔で寝たり起きたりを繰り返しています。30分程度胎動を感じなくても心配はいりませんが、胎動が急激に減った場合には注意が必要です。
へその緒が胎児にまきついている可能性も考えられます。胎動が激しいと胎児が苦しんでいるのではないかと気にする人もいますが、胎動は異常が起きているときには減る傾向があります。
もしも胎動が激しすぎて眠れなかったり、痛みを感じたりするようであれば体勢を変えてみるといいでしょう。胎動が激しすぎることが原因で破水することはありません。胎動の変化と出血を伴った場合は迷わず産婦人科を受診するようにしてください。
まとめ
胎動の変化からみる出産の兆候
出産が近づくと起きる胎動と母体の変化
胎動が減る理由
胎動よりも子宮の張りが強くなり始めたら出産の開始
出産の兆候とは関係なく胎動が減る場合