西洋医学に基づいた医療方法や薬は、現在起こっている病状に特化した治療が目的とされているのに対し、東洋医学では、その人の体質や病状に合わせて総合的な判断をし、体質を改善するというものです。
漢方薬は一人ひとりに合わせて処方されるため比較的、副作用も少ないことが特徴です。それでは、 子宮内膜症 を 漢方 で克服しましょう。
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子宮内膜症を漢方で克服する!
子宮内膜症の漢方医学的な考え方
子宮内膜症の原因は漢方医学では「おけつ」(血の流れが悪くなること)「気滞」(ストレスによる心身バランスの不調)「水毒」(体内の老廃物を含んだ余分な水分)が原因であると考えられています。
身体の中を流れる「血」「気」「水」の流れを整えることで、身体の不調も吐き出すことができるということです。
証(体質)の種類
漢方療法の診察は、まず病気の原因となっている証(体質)を特定することから始めます。
婦人病の証(体質)には下記のようなタイプがあります。
「寒凝血オ」タイプ
- 冷え症で、生理前や生理中に下腹部が冷えて痛みます。
- 風呂に入ったり、カイロを貼ったりして温めると症状が緩和します。
「気滞血オ」タイプ
- 生理前や生理中に下腹部が痛みます。
- 経血の色が黒っぽく、血の塊のようなものが混じることがあります。
「肝鬱湿熱」タイプ
- 生理前や生理中に下腹部が張ったような感じになり、刺すような痛みがあります。
- 経血は黒っぽく、血の塊のようなものが混じることがあり、黄色っぽいおりものもあります。
「腎虚」タイプ
- 生理中や生理後に下腹部がじわじわと痛くなります。
- 経血は赤色で血の塊が混じる事はありません。
子宮内膜症は特に「寒凝血オ」と「気滞血オ」のタイプが多くみられます。
タイプ別に見る治療法
「寒凝血オ」タイプ
原因
- もともと冷え症で血行が悪い方が多いです。また、クーラーの当たりすぎや冷たい食べ物や飲み物の摂りすぎで、身体が冷えて気の流れが停滞している事が原因です。
治療法
- 体を温めて気の流れを整える「温宮散寒」や、停滞していた血の巡りを良くし痛みを鎮める「化オ止痛」の治療を行います。
漢方薬
- 鳥頭湯、当帰四逆湯、温経湯、天台鳥薬散など
「気滞血オ」タイプ
原因
- ストレス、マイナス思考、怒りっぽいなど性格や精神的な部分が原因です。
治療法
- 気と血の流れをスムーズにし整えていく「理気活血」や停滞していた血の巡りを良くし痛みを鎮める「化オ止痛」の治療を行います。
漢方薬
- 冠脈通塞丸、キュウ帰調血飲第一加減、桃紅四物湯、通導散など
「肝鬱湿熱」タイプ
原因
- 精神的ストレスにより「肝」が弱っている状態です。体全体の気の流れを促進させる「肝」が停滞してしまうことで、熱や余分な水分が下腹部にこもることが原因です。
治療
- 体にこもった熱と水分を取り除いていく「清熱除湿」や気の流れを整え、痛みを鎮める「理気止痛」の治療を行います。
漢方薬
- 清熱調経湯、竜胆瀉肝湯など
「腎虚」タイプ
原因
- 早婚、出産過多、長期間の労働により体内エネルギーが不足し、体力的に弱っていることが原因です。
治療
- 「腎」の気を補い増やしていく「補益肝腎」、血液を増やし痛みを鎮める「養血止痛」の治療を行います。
漢方薬
- 調肝湯、八味地黄丸など
漢方薬で治療するメリット
西洋医学の治療は、薬や手術によって病巣を外から攻撃し退治するイメージですが、漢方治療の場合は体の内側から病気の病状を改善したり直したりするという方法です。
そのため、西洋医学の様な即効性はありません。時間を掛けて徐々に良くなるといった治療になりますので、長い目でみる必要があります。
しかし、徐々に体質改善されていくので西洋医学の治療と比べて病気の再発の心配が少なく、身体への負担も最小限で済むと言えます。
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まとめ
子宮内膜症を漢方で克服する!
子宮内膜症の漢方医学的な考え方
証(体質)の種類
タイプ別に見る治療法
漢方薬で治療するメリット