結婚し、生活が落ち着いたころに、妊娠したかもと、自然に妊娠が成立する人がいます。しかし一方で、子供を望んでいても、なかなか自然に妊娠が成立しない不妊症で悩んでいる人が大勢います。
不妊症になる原因は数多くありますが、その中の1つ、 子宮内膜症 により 不妊 で悩んでいる人もいます。
そうならないため、子宮内膜症について知り、妊娠を目指しましょう。
子宮内膜症と不妊症の繋がり
そもそも子宮とは
子宮は西洋ナシ状の形をしています。長さ8センチメートル×横径センチメートル×厚さ3センチメートル程度の臓器です。外面は、薄い漿膜に覆われています。
全体は平滑筋で構成され、内腔面は月経周期によって増殖・脱落する子宮内膜におおわれています。妊娠中に、お腹の中の赤ちゃんを発育させるための臓器です。
不妊とは
妊娠可能な年齢にあり、正常な生活を営んでいる夫婦が、2年以上にわたって妊娠の成立をみないものを不妊症といいます。全夫婦の約10パーセントに発生します。無症状が多いです。不妊症検査による原因を検索し、病変に対する治療を行います。
不妊症の原因
女性側の原因は、排卵因子、頻度が最も高い卵管因子、頸管因子、子宮因子、外陰・膣因子などに分類することができます。不妊の原因は、女性だけではなく男性側にも原因がある場合があります。
原因不明不妊
不妊検査を行っても原因の解明ができない不妊症のことをいいます。染色体異常、加齢による卵子の質の低下、免疫異常、着床障害、子宮内膜症、黄体機能不全などがあげられます。その頻度は、不妊症のうち約10~20パーセントといわれています。
不妊に及ぼす影響
子宮内膜症が不妊に及ぼす影響はきわめて強いと考えられています。子宮内膜症患者のなんと、30~50パーセントが不妊症であるといわれています。
子宮内膜症が不妊症を引き起こすメカニズムには、卵管周囲癒着や卵巣癒着による卵管の運動性の障害や、それによって生じる卵子のピックアップの障害、卵巣チョコレート嚢胞による卵胞成育の障害、子宮腺筋症を併用している場合の着床障害があります。
これらが、妊娠成立のマイナス要素と考えられています。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜類似組織が子宮体部内腔以外の部分に異所性に存在する良性の疾患です。
子宮内膜は月経時に出血、脱落しますが、異所性に存在する内膜類似組織も同様の組織であるため、月経時に出血をきたすことで、卵巣チョコレート嚢胞・腹腔内癒着の原因となります。発生する部位は、子宮筋層、卵巣、骨盤腔です。
症状
続発性月経困難症や続発性過多月経などをきたします。しかし、発生頻度は35歳以降に急増し、40歳代が高頻度です。不妊の原因となります。
診断
子宮内膜症の診断、子宮・卵巣の腫大のみならず、骨盤臓器を中心とした癒着が少なくないため、圧痛などの症状と関連づけて行われます。内診、超音波断層検査、CT・MRI、腹腔鏡検査、腫瘍マーカーを行います。
治療
薬物療法と手術療法の2つがあります。第一選択は薬物療法であり、子宮筋腫の治療と同時に低エストロゲンの環境をつくる薬剤を使用します。基本的には薬剤によって月経は停止します。
卵巣チョコレート嚢胞
代表的な良性腫瘍です。卵巣の表面に内膜症が発生し、チョコレート様の液体が貯留する嚢胞を形成したものが子宮内膜症性卵巣嚢胞(卵巣チョコレート嚢胞)です。
子宮の炎症は、膣の炎症から上行性に炎症が進むことで発症する場合と、月経時の清潔行動の不備により子宮内膜が感染することにより発症する場合が多いです。
発症したら、なるべく早い時期に治療を開始しないと、他の部位にまで炎症が広がり、全身状態が重篤となる場合や、将来的に不妊症となる場合もあるので、注意が必要です。
まとめ
子宮内膜症と不妊の繋がり
そもそも子宮とは
不妊とは
不妊に及ぼす影響
子宮内膜症
卵巣チョコレート嚢胞