働く女性の増加や、結婚年齢および出産年齢の上昇に伴って、日本の少子化は深刻な問題になっています。しかし一方で、子供を望んでも妊娠が自然に成立しない不妊症に対する治療への期待は大きくなっています。 子宮内膜炎 は不妊症を引き起こす1つの原因です。
そうならないためにも、子宮内膜炎や自分の体を知り、妊娠を目指しましょう。
不妊症の原因になる子宮内膜炎
そもそも不妊症とは
妊娠が可能な年齢にあり、正常な生活を営んでいる夫婦が、2年以上にわたって妊娠の成功をみないものを不妊症といいます。全夫婦の約10パーセントに発症します。また、不妊症の成立経過によって、原発性不妊症と続発性不妊症の2つの分類することがあります。
原発性不妊症
過去に一度も妊娠が成立したことのないものをいいます。
続発性不妊症
一度は妊娠したが、そのあとに不妊症となったものをいいます。
不妊症の原因
1年以上経っても妊娠しない場合の原因には、女性側および男性側の双方に種々のものがあります。不妊症の原因のうち、女性側の原因は、排卵因子、卵管因子、子宮因子、頸管因子、外陰・膣因子、などに分類することができます。
この中で、頻度が最も高いのは卵管因子です。しかし、同時に複数の不妊因子を有することも多く、各病態の種類や程度も多種多様です。そのため、不妊の原因を調べるために早い時期に一般検査を行い、その結果をもとに治療方針を組み立てる必要があります。
子宮
子宮壁
子宮壁は子宮内膜(粘膜)・子宮筋層・子宮外膜(漿膜)の3層からなります。
子宮内膜
単層円柱上皮の下に、厚い固有層があり、子宮腺(管状線)が密生しています。月経の際に剥離する表層部を機能層、残留する深部層を基底層といいます。
機能層にはラセン動脈があり、黄体ホルモンが欠乏すると収縮し、機能層に血行障害が生じて剥離することにより、月経をもたらします。基底層の動脈は別系統で、月経時にも維持され、月経終了後にここから粘膜が再生します。
月経の周期
月経の周期には、月経期、増殖期、分泌期にわけられます。
月経期
黄体からの女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌が減るために子宮内膜が脱落し、血液とともに膣から排出されます。これが月経期であり、月経開始の日を第1日として5日程度続きます。
増殖期
卵胞が成熟するにつれてエストロゲン分泌が増加するため、それに応じて子宮内膜は急激に増殖します。これが増殖期であり、14日目まで続きます。
分泌期
排卵によって黄体が形成されると、黄体から分泌されるプロゲステロンの作用により子宮は分泌期となります。
子宮内膜炎とは
子宮の内側にある子宮内腔を覆っている、子宮内膜という粘膜が炎症を起こすことにより引きおこす病気です。可能性子宮内膜の機能層というのは、月経のたびに剥がれ落ち、細菌が侵入してきても、月経時に体の外に排出されます。
そして、剥がれ落ちた子宮内膜の後には、新たに子宮内膜が再生されます。これを繰り返すことにより、細菌も排出され、子宮内を清潔に保ち、炎症などのトラブルを防ぎます。
子宮内膜炎に気が付かずそのままにし、炎症がひどくなると、卵管や卵巣へと広がり、卵管閉塞などを引き起こす可能性があります。
子宮内膜炎の原因
淋菌やクラミジア、結核菌、ブドウ球菌、大腸菌、腸球菌、連鎖球菌などによる、細菌感染により炎症が起きます。
子宮内膜炎の症状
下腹部痛が最も多く発生します。発熱を伴うことが多いです。不正出血が発症することがあります。また、帯下の増加を伴うこともあります。
診断
炎症反応がみられること、内診で子宮に圧痛があることや、培養による起炎菌の同定を行い、治療薬剤の選択を行います。
卵管結核から子宮内膜へ影響が徐々に広い範囲に及んでいきます。気が付かずそのままにして、炎症がひどくなると、卵管や卵巣へと広がり、卵管閉塞などを引き起こす可能性があります。
下腹部痛やいつもと違うような感じがしたときは、産婦人科を受診してください。早期発見で早く治し、妊娠を目指しましょう。
まとめ
不妊症の原因になる子宮内膜炎
そもそも不妊とは
子宮
月経の周期
子宮内膜炎とは