結婚生活も落ち着いてきて、そろそろ子どもも考えたいと思ったとき、意外と知らないのが自分の子宮の状態です。自覚症状もなく婦人科検診に行くのは面倒で、つい後回しになりがちです。妊婦健診に行って初めて 子宮頚管 ポリープ がみつかる人も多くいます。
まずは自分の子宮の様子を知り、安心して妊娠できる子宮の状態にしておくことが大切です。
意外と気づかない子宮頚管ポリープ
ポリープとは
粘膜から発育したイボの総称です。子宮にできるポリープは子宮頚管ポリープと子宮内膜ポリープがありますが、そのほとんどが子宮頚管ポリープです。
子宮頚管ポリープは子宮と膣を結ぶ子宮頚管部分に、粘膜の上皮細胞が増殖し、子宮からはみ出して膣の方に垂れ下がったようになるものです。大きさは米粒(2~3mm)~サクランボ大(1㎝程度)くらいになることもあります。
子宮頚管ポリープの症状
ほとんど痛みはありませんが簡単に出血するようになります。おりものに血が混じったり、激しい運動後などに不正出血したりすることもあります。
しかし、痛みなどの自覚症状がほとんどないことが多く、見逃してしまう人も多くいます。そのため婦人科検診や妊婦健診で初めてみつかることがよくあります。
子宮頚管ポリープの原因
今のところはっきりと解明されていません。女性ホルモンのバランスの乱れや細菌による炎症など、さまざまなことが関係しているのではないかと考えられていますが、特定されていないので、予防方法もわからないのが現状です。
30~50歳代で出産を経験されている方に多くみられる傾向があります。
子宮頚管ポリープの治療
子宮頚管ポリープは切除治療が基本です。切除は外来診察時、麻酔なしで簡単にできる場合がほとんどです。ポリープを根元からカットし、良性か悪性の腫瘍か検査します。手術当日の入浴は避け、切除部分の回復を待つために2~3日は夜の営みも控えましょう。
妊娠中の治療は慎重に
子宮頚管ポリープは妊娠中に切除を行うと流産や破水を引き起こす可能性があります。また治療をせずそのままにしておくと感染症にかかりやすくなり、流産や早産など妊娠に悪影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。
胎盤が完成して安定する妊娠4ヵ月目以降になって切除することもあります。ただ、子宮頚管ポリープが妊娠に悪影響を与えている場合は、妊娠週数にかかわらず、治療を行うこともありますので、妊娠の状態や影響について医師とよく相談し、方針を決めることが大切です。
再発することもあります
子宮頚管ポリープは一度できると切除しても根っこの部分から再発することも多くあります。また、細胞の検査結果が良性でも経過観察のために、年に1度は子宮がん検診などと一緒に、産婦人科で子宮頚管ポリープが再発していないかみてもらいましょう。
再発予防のために、切除後電気焼灼、レーザー処理などをする場合もあります。
自分の体を知る
子宮頚管ポリープがあるからといって、妊娠できなくなるというわけではありません。原因がはっきり解明されていないので、子宮頚管ポリープと診断されるとつい不安になってしまいますが、悪性のがん細胞に変わる可能性はかなり低い病気です。
早期発見するためにもできるだけ妊娠前に婦人科検診を受け、定期的にポリープができていないか確認しておきましょう。早期発見して治療する方が、身体的にも金銭的にも負担が少なくてすみます。
もし見つかっても自分の体に合った方法で医師と相談しながら治療することで、安心して妊娠・出産を迎えて素敵なマタニティライフを過ごしてください。
まとめ
意外と気づかない子宮頚管ポリープ
ポリープとは
子宮頚管ポリープの症状
子宮頚管ポリープの原因
子宮頚管ポリープの治療
妊娠中の治療は慎重に