妊婦になると、自分のお腹の中で日々成長している我が子に、驚きと喜びを感じる毎日だと思います。また、病院や産婦人科などで、今まで聞いたことがないような、妊婦ならではの病気を耳にする機会が今までより増えます。その1つに子宮頚管無力症というのがあります。
妊娠をきっかけにまずは、自分の身体を知り、 子宮頸管 無力症 について知ることが大事です。
妊婦なら知っておいたほうが良い、子宮頚管無力症
そもそも妊娠とは
女性が卵子と精子の受精によって生じた受精卵・胚・胎児を体内に保有している状態をさします。妊娠の始まりを着床と規定し、妊娠とは受精卵の着床に始まり、胎芽または胎児および付属物の排出をもって終了するまでの状態と考えるのが一般的です。
受精
膣内に排出された精子が、子宮頚管から子宮腔を通過し、卵管膨大部で卵巣から排出された卵子と出会い、精子が卵子の中に侵入することにより、受精が成立します。
子宮頸管
子宮頚管とは子宮と膣を結んでおり、3センチメートル程度の長さの管状構造物のことをさします。子宮は、上部3分の2が子宮体部に占められています。残りの3分の1が子宮頚管を含む子宮頚部になります。子宮頚管の長さは、経膣超音波検査でわかります。
子宮頸管の働き
子宮頸管は子宮から赤ちゃんが出てこないように、蓋の役割を担っています。通常の妊娠中は、この子宮頸管は閉じた状態になっています。子宮頚管が開くのは、分娩が始まるときになります。
出産時の子宮頚管
妊娠中は蓋の働きをしていましたが、出産時になると陣痛により少しずつ子宮頚管が開き、分娩が始まります。
子宮頚管というとあまりピンとこない人もいると思いますが、妊娠中、子宮頚管は子宮口とも呼ばれることがあります。子宮口という言葉なら多くの人が知っていると思います。
子宮頚部の熟化
子宮頚部は分娩が近づくと展退・軟化し、子宮口は開大します。頚部の成熟に伴い分泌物が増加し、膣分泌物の増加として自覚される場合もあります。子宮頸管成熟度は、開大度、短縮度、子宮膣部のかたさを指標とします。
開大度は頸管内の最狭部位の直径(センチメートル)であらわし、短縮度は(展退度)は頸管の上下端間の距離(センチメートル)をあらわし、硬度は硬(鼻翼状)・中(唇状)・軟(マシュマロ状)の3段階に分けられています。
子宮頚管無力症とは
お腹の中で大きくなる赤ちゃんや、子宮の重さに耐えることができず、子宮頸管が早い期間から緩み、短くなって子宮工が開いてしまう病気のことです。子宮頚管に力がなくなり、緩むことから子宮頚管無力症と呼ばれています。
原因
原因は、わからない場合が多いです。1人目のお産を問題なくしたのに、2人目、3人目で子宮頚管無力症になったという人もいます。
治療
子宮頚管無力症は、早産や流産のリスクが高くなります。子宮頚管無力症の場合、子宮頚管縫縮術(子宮に近い子宮頚部上部を縫うシロッカー手術、膣に近い子宮頚管の下部を縫うマクドナルド手術)を行うことが多いです。
子宮頚管無力症になりやすい人
先天的に子宮頚管が短い人、先天的に子宮に奇形がある人、人工中絶や流産での掻爬手術を行い、医療器具で子宮頚部を傷つけてしまった人、前回のお産のときに子宮頚管が短いと言われたことがある人、子宮頸がんの手術で円錐切除手術を受け、子宮頚管が短くなっている人などにリスクがあります。
子宮頚管無力症は、自覚症状がなく気が付くことが難しいので、おりものがいつもと違うときや、出血があるなどの異常な症状があるときは、なるべく早めに診察を受けてください。無事に元気な赤ちゃんを産むための1つの知識として、子宮頚管無力症を知っておくと良いです。
まとめ
妊婦なら知っておいたほうが良い、子宮頚管無力症
そもそも妊娠とは
子宮頚管
子宮頚部の熟化
子宮頚管無力症とは
子宮頚管無力症になりやすい人