子宮の入り口にできるがんを子宮頸がんといいます。子宮がんには頸がんと体がんがありますが、比率は6対4で子宮頸がんが多くみられます。 子宮頸がん は異形成の段階で発見することができれば早期の治療が可能です。
今回は早期発見のための 症状 チェック についてお話しします。
症状で考える子宮頸がんのセルフチェック
不正出血があったときにはすぐに受診する
子宮頸がんの初期は、ほとんど症状がないため不正出血の症状があったときにはクラスがある程度進んでいると考えたほうがいいでしょう。子宮頸がんは、細胞診によってクラスがわけられます。
クラス1は正常、クラス2は炎症がおこり細胞に核腫大の変化がみられるでしょう。クラス3は軽度から高度の異形成が想定されます。異形成とは、がんになる前段階の病変です。クラス4になると子宮頚がんの0期になり、上皮内がんが想定されます。
クラス5は微小浸潤がんが想定され、子宮頸がん1期に相当です。クラス6になると浸潤がんと診断されます。子宮頸がんは、セルフチェックできる症状が初期はありません。
しかし、検診によって早期発見が簡単にできるがんであり、がんの前段階である異形成で診断をつけることができるのです。
例えがんと診断されても、検診を受けている人は早期がんの段階で見つかるため保存的な治療が可能です。治療後は妊娠と出産も可能でしょう。早期がんは、無症状であることがほとんどです。
セルフチェックできるような不正出血、オリモノの異常がある場合には手術が必要な進行がんになっている可能性もあります。
子宮頚がんの原因であるウィルス感染の可能性をチェック
子宮頸がんの原因は、パピローマウィルスが原因であることがわかっています。パピローマウィルスは70種類以上あるウィルスで、いぼを形成するものです。がんや異形成を発生させるウィルスはその中の数種類といわれています。
一般的に、パピローマウィルスを持った人から膣や外陰部、子宮頚部に感染します。異形成されたとしても70%以上は自然に消失するため、パピローマウィルスに感染したとしても必ずしもがんになるわけではありません。
子宮頸がんと子宮体がんは同じ子宮がんではありますが、子宮体がんはパピローマウィルスとは関係ありません。
子宮頸がんは、妊娠と出産回数が多い人はなりやすいと考えられます。しかし、出産経験や年齢に関係なくパピローマウィルスに感染した例もあるため油断しない方がいいでしょう。早期発見のためには、症状のセルフチェックとあわせて、定期的な子宮頸がん検診を受けるようにしましょう。
子宮頸がんは症状をチェックするよりも検診が大切
子宮頸がんの検診は1年に一度受診するようにします。検診は、子宮頚部の細胞を綿棒でこすりとり、取った細胞を染色して顕微鏡で観察して診断します。細胞診は痛みもなく、短時間で終わるにもかかわらず、異形成やどの程度の病変があるかなど細か診断することが可能です。
細胞診と一緒に子宮頚部の状況をコルポスコープで診察することもあります。コルポスコープを使う診察することをコルポスコピー診といい、病変の場所や病理診断も可能です。子宮体がんを含む子宮がんの死亡数は、多い年は1万6千人以上もありました。
しかし近年は検診が普及し早期発見が可能となり、死亡数は大幅に減っています。子宮頸がんについては、異形成段階での発見、早期治療が増えたため約65%は早期発見で100%治癒が可能なため、死亡数は激減しています。
一方で子宮頸がんの発症年齢は若年化の傾向があるのです。死亡数は減りましたが、発症者数は減ってはいません。症状が出る前に、定期検診を受けることが一番のセルフチェックなのではないでしょうか。
まとめ
症状で考える子宮頸がんのセルフチェック
不正出血があったときにはすぐに受診する
子宮頚がんの原因であるウィルス感染の可能性をチェック
子宮頸がんは症状をチェックするよりも検診が大切