出産は女性や産まれてくる赤ちゃんには大仕事です。出産にトラブルは付き物ですが、突然起こる子宮破裂は、母子共に命にかかわる重大な事態となります。 子宮破裂 は子宮や赤ちゃんの状態によってリスクが高まります。
もし子宮破裂してしまったら、赤ちゃんの死亡率は80%となってしまいます。リスクを少しでも回避するために、事前に出産の方法や子宮の状態の確認など主治医と相談しておきましょう。
母子共に命の危険を伴う子宮破裂を知る!
子宮が破裂する原因
子宮破裂はほとんどの場合、分娩時に起こります。大きくなった胎児は子宮の中で窮屈な状態で入っており、動く度に子宮壁が押されて収縮します。この時、子宮壁に弱い部分があると収縮に耐えきれずに破れてしまうことがあります。これを子宮破裂と言い、0.1%の確率で発症しています。
多胎児や巨大児、また、難産のために陣痛促進剤を使用したり、鉗子や吸引分娩が原因となることもあります。過去に帝王切開や子宮筋腫などの手術を受けたことがある場合は、縫合痕から裂けてしまう可能性がありリスクが高くなっています。
大量に出血する子宮破裂の怖い症状
多くの場合、子宮破裂は陣痛が始まり、赤ちゃんが産道に入ってきてから突然起こることが多いため、ギリギリまで分からないことに問題があります。
前兆として、脈拍や体温、呼吸数が上昇したり、継続する強い痛み、顔面蒼白などが見られることがありますが、前兆が確認できる前に破裂してしまうこともあります。
子宮破裂すると大量の出血があり、ショック症状に陥ります。赤ちゃんも母体から酸素が供給できなくなり危険な状態となってしまいます。陣痛が止まり、自力で出産することができなくなりますので、緊急手術で帝王切開し取り出します。
子宮破裂は離断の状態によって完全子宮破裂と不完全子宮破裂に分類されます。子宮の外側から中の様子が見える状態を完全子宮破裂と言い、帝王切開の縫合痕から破裂する場合はこの状態になります。
一方、不完全子宮破裂は子宮壁の一部が破れ子宮筋層で切断が止まっている状態です。胎児が逆子など無理な姿勢であった場合や巨大児の場合に起こりやすい症状です。
子宮が破裂してしまった時の処置方法
子宮破裂してしまった場合は、お母さんと赤ちゃんの命が危険なため、早急に輸血と緊急手術が行われます。赤ちゃんは無酸素状態になると死亡してしまったり、重い障害が残ったりすることがあるため、急いで帝王切開で取り出します。
子宮破裂してしまうと赤ちゃんにも大きなダメージとなるので、取り出した後は、NICUへ運び治療をおこないます。
一方、お母さんは大量に出血しているため、まずは止血と輸血をおこないます。子宮の破裂した状態や周りの臓器への影響を確認した後、縫合します。子宮の損傷が激しく、縫合できない状態の時には子宮を丸ごと摘出しなければならない場合もあります。
帝王切開すると次の出産も帝王切開になるの?
過去の出産で帝王切開の経験がある人は子宮に縫合痕が残っているため、次の出産では子宮破裂のリスクがあります。縫合痕の部分は固くなっており、分娩時に収縮できないため破れてしまう可能性があるためです。そのため、医師は次回の出産も帝王切開することを勧めます。
しかし、どうしても自然分娩で産みたいという場合は、VBAC(ブイバック…帝王切開経験のある人が自然分娩で出産しようとする試み)受入れ対応している産婦人科を探してみましょう。VBACを成功させるためには、いくつか条件があります。
まず、もしもの時に緊急対応できる設備の整った病院であること。次に母子ともに正常であること。前回の帝王切開の縫合痕が横向きであることなどです。VBACを受け入れてくれる場合でも、慎重に観察し、少しでも危険を感じたら即、帝王切開に切り替えられます。
まとめ
母子共に命の危険を伴う子宮破裂を知る!
子宮が破裂する原因
大量に出血する子宮破裂の怖い症状
子宮が破裂してしまった時の処置方法
帝王切開すると次の出産も帝王切開になるの?