「子宮外妊娠」について、皆さんはご存知でしょうか? 子宮外妊娠 を知らずに進行させてしまうと、実は取り返しのつかない事態を引き起こしてしまいます。妊娠反応が出てから正常着床が確認できるまでの間、是非「子宮外妊娠」について知っておいて欲しいと思います。
子宮外妊娠ってどういうこと?
子宮外妊娠とは?
通常の妊娠では、受精卵は子宮内膜に着床するのですが、これが子宮内膜以外の場所に着床してしまうことを子宮外妊娠と言います。
妊娠検査薬などで妊娠の反応が出ていても、受精卵が子宮内膜にちゃんと着床しているのかどうかは、エコー検査で胎のうの場所を確認するまでわかりません。
子宮外妊娠は、受精卵が子宮内膜ではなく卵管に着床するケースが多いのですが、この卵管はあくまでも卵子の通り道であって子宮のように大きくなれない器官の為、この中では受精卵は育つことが出来ません。
赤ちゃんが育つどころか、卵管が破裂してしまうなど、最悪の場合は母体の命まで奪ってしまう危険な妊娠と言えるのです。
子宮外妊娠の間違った認識
子宮外妊娠の間違った認識として、着床位置がずれているだけで受精卵を子宮へ戻せば妊娠継続は可能だと思っている方も少なからずみえるようですが、これは残念ながら不可能です。子宮外妊娠だと診断された場合には、今回の妊娠はあきらめるしかないのが悲しい現実です。
子宮外妊娠だとわかる時期は?
エコー検査で子宮内に胎のうの確認が出来るのが妊娠5週目以降とされています。この時期に胎のうが確認されない場合、子宮外妊娠の可能性が出てきます。
ただ、初期流産や妊娠週数の数え間違いなど、他のケースも考えられますので診断は難しいようです。何はともあれ早期発見が大切ですので、胎のうが確認できるまでは安心せずに、早めに産婦人科に通うことが重要です。
子宮外妊娠の原因は?
子宮外妊娠を引き起こす原因として考えられるのは
- 腹部の手術経験(虫垂炎、腹膜炎など)がある人
- 卵巣手術、卵管形成手術の経験がある人
- クラミジア感染症などで卵管炎、卵管が詰まってしまっている人
- 子宮外妊娠の経験がある人
などの場合に多いとされています。子宮外妊娠は基本的に予防することが難しいと言われていますが、上記の要因がある場合には、事前に医師に相談しておくことが必要です。
子宮外妊娠の確率
子宮外妊娠は全妊娠の0.5〜1.5%程度で発生すると言われており、そのうちの80%は経産婦です。このことから、初産で子宮外妊娠の起こる確率はかなり低いことがわかります。
とはいえ、上記の原因に少しでも心当たりがあるようであれば、きちんと産婦人科で確認をしてもらいましょう。
子宮外妊娠の治療法
早期発見の場合は薬物治療も可能ですが、卵管に着床してしまっている場合は、手術が必要になる可能性が多いです。その場合、着床した部分の卵管を切除する「根治手術」と、卵管を開き、胎のうだけを取り除く「保存手術」のどちらかの手術方法が取られます。
発見が早ければ腹腔鏡での手術も可能で、入院期間も1週間ほどと短いです。しかし、発見が遅れ卵管が破裂してしまうと、腹部にメスを入れることになります。
子宮外妊娠後の妊娠の可能性
子宮外妊娠後の妊娠の可能性は、治療時に卵管を残すかどうかが大きな鍵となります。卵管は1つ切除したからといって、妊娠の確率は通常の半分になるわけではなく、その確率は80%とほとんど落ちていません。
ただし、両方の卵管を切除した場合には自然妊娠は難しくなります。この場合には、体外受精などの方法を選択すれば妊娠が可能ですので、悲観せずにパートナーとしっかり話し合ってみましょう。
まとめ
子宮外妊娠ってどういうこと?
子宮外妊娠とは?
子宮外妊娠の間違った認識
子宮外妊娠だとわかる時期は?
子宮外妊娠の原因は?
子宮外妊娠の確率
子宮外妊娠の治療法
子宮外妊娠後の妊娠の可能性