ご自分の子宮がどんな形で、どの位置にあるのかご存じですか? 女性にとって子宮は、妊娠し出産する為になくてはならないとても大切な臓器です。
子宮は、妊娠しお腹の中で赤ちゃんを育てる機能を持っているため、収縮し位置も移動します。一方で婦人科系の疾患にかかりやすいのも特徴です。 ここでは、 子宮 の 位置 に注目してみます。
動く器官、子宮の位置について知ろう
子宮の正しい位置はどこ?妊娠すると
通常、子宮はお臍と太ももの付け根の間、骨盤内のちょうど真ん中で、ちょうど恥骨の裏当たりにお腹側に傾いて位置しています。大きさは鶏の卵くらい、少し平たくしたような形状をしています。重さは約40gです。
意外と小さいと思われるかもしれませんが、子宮は赤ちゃんを宿すと位置も大きさも変化していきます。妊娠すると、子宮は厚みが徐々に増して臨月の頃には20~22cmになります。子宮の底長は縦約32~35cmです。容積は妊娠前に比べて800倍、重さも20倍にも大きくなります。
子宮位置の異常~子宮後屈
子宮は人によって大きさや形に違いがあるのが普通です。位置に関しても通常はお腹側に傾いていますが(子宮前屈)、人によっては反対側(背中側)に傾いていることもあります(子宮後屈)。内診と超音波検査で位置を確認することができます。
子宮後屈は1~2割の女性にあると言われていますが、ほとんどが生まれつきです。子宮後屈の人は重い生理痛や腰痛になりやすいと言われていますが、これは生まれつきではなく後天的に子宮が後屈した場合が多いです。
例えば、子宮内膜症が原因で子宮後屈になる場合があるのです。この場合は、病院で検査を受け治療する必要が出てきます。放置しておくと不妊を招く要因にもなりかねません。
子宮下垂、子宮脱
子宮が下に降りてきてしまうことを子宮下垂と言います。出産経験の多い経産婦や、虚弱体質の人、また高齢者に多く見られます。筋力の低下によって周辺の臓器が下垂すると、子宮も降下する場合が多いのです。
出産経験の多い経産婦の場合、出産の度に骨盤が開閉しながら筋肉も伸び縮みしています。その結果、骨盤底筋が弱って子宮が降りてきてしまうのです。ひどくなると子宮の一部や全体が膣の外に出てきてしまいます。それを子宮脱といいます。
軽ければ自覚症状がない場合もありますが、子宮が下がってくると精器に不快感や圧迫感を伴い腰痛をひき起こします。
子宮脱は、長時間の立ち仕事や重い物の持ち運びの際、排便時などに子宮の一部が脱出しますが、ひどくなると、刺激や感染によって出血することもあります。出血までしなくても違和感があればすぐに受診しましょう。
子宮の位置を改善するために
子宮後屈、子宮下垂、子宮脱は、症状がひどくなければ簡単な体操をしながら改善、または予防できます。特に子宮後屈の改善に効果を期待できるのが、マタニティヨガなどにも取り入れられる骨盤体操です。
骨盤周辺の血流をよくして骨盤の歪みをなくすことで子宮の位置も正しい向きに変えられると考えられています。また、子宮下垂や子宮脱の場合は、子宮を支えている靭帯を強化することに気を付けてみましょう。
産後の産褥体操や肛門に力を入れて締める運動を毎日、3か月位を目安に長期的に続けてみましょう。そうすることによって、腰痛や排便痛、生理痛などに効果を期待できます。それでも無理な場合は、我慢せずに病院に行きましょう。
子宮の位置についてみてみましたがいかがでしたか?妊活中の皆さんは、順調な妊娠、出産、産後を迎える為にも一度ご自分の子宮の位置を確認してみましょう。経産婦さんや高齢の方も、すでに自覚症状があるなら勿論ですが、なくても健康診断を受ける感覚で受診してみましょう。
まとめ
動く器官、子宮の位置について知ろう
子宮の正しい位置はどこ?妊娠すると
子宮位置の異常~子宮後屈
子宮下垂、子宮脱
子宮の位置を改善するために