子宮内膜症とは 、本来子宮の内膜にあるはずの子宮内膜が子宮以外の場所に存在してしまう病気です。子宮に関する病気のため、病気の予後を心配するかたもいらっしゃると思います。
病気は完治するのか、症状を発症した後でも妊娠が可能なのかなど詳しくご紹介します。
子宮内膜症とは?病気の予後は?
子宮内膜症とはどのような病気か
子宮内膜症の原因となる子宮内膜は本来、子宮の内側に存在しています。この子宮内膜が子宮以外の場所である卵巣や腹膜などで増殖、剥離を繰り返してしまう病気が子宮内膜症なのです。
通常、子宮内膜は生理周期に合わせて子宮の内側から剥がれ落ち、経血とともに体外へ排出されます。しかし、子宮内膜が子宮以外の場所で増殖してしまうと、腹腔内で留まってしまい、その場所で炎症や癒着、痛みの原因になってしまいます。
子宮内膜ができやすい場所といわれているのが、腹膜や卵巣、ダグラス窩とよばれる子宮と直腸の間のくぼみです。卵巣にできた子宮内膜症は卵巣チョコレート膿胞とよばれています。
また、まれに肺のなかにもできることがありますが、主には骨盤の内側にできることが多いといわれています。
子宮内膜症は良性?悪性?
子宮内膜症は基本的には良性といわれています。そのため、子宮内膜症自体が直接命に関わる病気ではないといわれています。症状をしっかりとコントロールしながら、閉経まで付き合っていくことになります。
しかし、卵巣にできてしまった卵巣チョコレート膿胞は悪性の可能性があるといわれています。卵巣ガンへとつながる確率は0.7%と少ない確率ではありますが、確率は0%ではないため、定期的に検診を受けることをおすすめします。
子宮内膜症の症状は?
子宮内膜症の主な症状は痛みです。痛みとひとことでいっても、さまざまな痛みの種類があります。たとえば、月経痛とは異なるような子宮周辺の痛みや、腰痛、下腹部痛、排便痛などがあります。
月経痛と異なる痛みとは具体的にいうと、月経痛よりも痛みが強く、場合によっては鎮痛薬も効果がないくらいの激痛になることもあります。また、痛みのほかにも気分がすぐれないといった症状や、下痢になりやすいといった症状もあります。
子宮内膜症の原因は?
子宮内膜症の原因は、今現段階では完璧に解明はされていないといわれています。しかし、年齢別の統計によると比較的若い世代に症状がおきやすいといわれています。
また、完全に解明されたわけではありませんが、原因と考えられている説がいくつかあります。まずは、子宮内膜が月経によって体外に排出されるはずが、なんらかの原因によって血液が卵管へと逆流してしまい腹部に留まってしまう場合です。
次に、腹膜がなんらかの原因で子宮内膜へと変化してしまう場合もあります。そのほかにも妊娠がきっかけで子宮内膜症がおきてしまう場合や、不妊治療をおこなっている人が症状を発症している場合が多いなどさまざまな研究結果が発表されています。
どのような原因で子宮内膜症が発症するということは確実にわかっていない分、普段とは異なった痛みなどの症状を感じた場合には一度病院で検査を受けることをおすすめします。
子宮内膜症でも妊娠は可能?
子宮内膜症の方は不妊であるという場合が多いといわれていますが、子宮内膜症であるから今後妊娠できないというわけではありません。子宮内膜症の方でもきちんと治療をおこなうことで妊娠、出産が可能なのです。
妊娠を希望される場合には薬物療法や手術療法で子宮の機能を改善することが大切です。
しかし、子宮内膜症は治療終了から7か月以降で再発率が高くなるといった特徴もあるため、子宮内膜症を改善した場合には治療が終了した時から3~6ヶ月ほどで妊娠をすることが重要といわれています。
一度妊娠すると妊娠中は月経が止まるため、子宮内膜症の再発の心配はないといわれています。
まとめ
子宮内膜症とは?病気の予後は?
子宮内膜症とはどのような病気か
子宮内膜症は良性?悪性?
子宮内膜症の症状は?
子宮内膜症の原因は?
子宮内膜症でも妊娠は可能?