切迫早産は早産する一歩手前の危険な状態ですが、適切な対応をすれば妊娠を継続させることができる状態でもあります。早産で生まれた赤ちゃんは身体の機能も抵抗力も未熟なので、せっかく生まれても死亡する確率が高く、脳や視力に障害が残る可能性があります。
そのため1日でも長くお母さんのおなかの中にいて成長しなければいけません。 切迫早産 の症状の 原因 を知り、負担をかけないような生活スタイルを考えてみましょう。
何が原因で切迫早産になってしまうのでしょう?
切迫早産になる確率
切迫早産とは妊娠22週から36週の間に早産の危険性がある状態で、妊娠している女性の約15%の割合でおこっています。
この内10%は適切な医療処置で臨月まで持ち堪え、自然分娩で出産していますが、残りの5%は早産で出産しています。またこの5%の内のほとんどは、妊娠34週以降(9か月)に入ってから出産しています。
一度、切迫早産を経験した人は次回の妊娠でも切迫早産になる可能性が高くなります。一度目が早産だった場合、次回の妊娠時に切迫早産になる確率は2倍になりますので、経験者は注意が必要です。
切迫早産の原因
切迫早産の原因はお母さん側にあることが多いようです。絨毛膜羊膜炎や頸管無力症など子宮に問題がある場合、持病やストレスが引き金となることもあります。
妊娠後期に入ってからは妊娠高血圧症候群が原因となるケースが増えてきます。妊娠高血圧症候群はお母さんが妊娠による身体の変化についていけない状態で、重症化すると分娩時に母子ともに危険を伴うので、帝王切開になることもあります。
双子や三つ子のような多胎児の場合は早産になる可能性が、単胎児妊娠よりおよそ9倍も高くなります。これは本来、一人で入る子宮の中に複数の胎児が入るため、子宮に圧力がかかるためです。このため多胎児の場合は、切迫早産になる前の早い段階から治療を始めることもあります。
また、タバコの喫煙は胎児に栄養や酸素が行き届かなくなり、切迫早産になるリスクが喫煙しないひとの3~5倍高くなります。喫煙は胎児の成長を妨げるため、切迫早産以外にも出生後の突然死や障害を残す原因となりますので、妊娠したら絶対に禁煙しましょう。
高齢出産と切迫早産の関係
妊娠する年齢と切迫早産の直接的な関係はありません。しかし高齢になると子宮筋腫や糖尿病などの合併症妊娠が増える傾向にあるので、切迫流産につながるリスクは高くなります。
また、近年の晩婚化にともない35歳以上での出産が増えたことや、不妊治療による多胎児の増加も切迫早産の可能性を高めています。
35歳以上の働く女性は職場での責任も重くなり体調不良で休むこともままならないことも多く、安静が必要だとわかっていても無理をしてしまうケースもあります。実際、切迫早産になる人は、30年前と比べるとおよそ2倍に増えています。
切迫早産と言われたら
切迫早産は下腹部に痛みがあったり、出血があるような症状でわかるものもありますが、自覚症状がなく子宮口が開いていたり、子宮頸管が短縮しているような場合もあります。自覚症状がない場合は、定期検診での内診や超音波検査で発見されます。
切迫早産だと診断された場合、症状によって自宅で安静か、入院するかを判断されます。切迫早産の原因が子宮収縮だった場合は張り止めの薬が処方され、感染症が原因の場合は抗生物質が処方されます。
いずれにしても切迫流産の最大の治療は絶対安静で過ごすことです。自宅でも入院でも食事とトイレ以外は横になって過ごし、もちろん外出も禁止となります。
この安静は妊娠37週の臨月に入るまで続きますが、症状が落ち着けば制限も少しずつ解かれ、出産まで一時的に退院できることもあります。
まとめ
何が原因で切迫早産になってしまうのでしょう?
切迫早産になる確率
切迫早産の原因
高齢出産と切迫早産の関係
切迫早産と言われたら