近年、女性の社会進出が増えて来た事を受けて、ギリギリまで仕事をしてから出産すると言う人も多く、無理をしてしまい、切迫早産と診断されてしまう人が増加し続けています。 切迫早産 とは何か、診断されたらどうしたらいいのかお話しします。
切迫早産のあれこれ
切迫早産と早産の違い
切迫早産と早産は違います。早産とは正産期以前の出産を言い、日本では妊娠22週~36週までの出産を早産と言います。早産だと赤ちゃんが十分に育たずに出産してしまうため、低体重児になってしまいます。
切迫早産は、早産になりかかっている状態を言います。子宮の出口が開いて、赤ちゃんが出て来そうな状態や破水してしまった状態で赤ちゃんが産まれようとしています。早産につながる前に対処しなければいけません。
切迫早産の原因は?
お母さんの原因
- 妊娠高血圧症候群
- 糖尿病、腎臓病などの合併症状がある
- 子宮頸管無力症
- 子宮筋腫などの子宮異常
赤ちゃんの原因
- 双子以上の多胎妊娠
- 羊水が多い、または少ない
- 胎児機能不全
切迫早産はこの他に、疲労やストレス、細菌感染も原因となります。
切迫早産の診断
最初に自覚症状の問診があります。お腹の張りや、出血、背中痛など、様々な症状が表れます。
次に、子宮収縮がどのくらいの感覚で起き、その強さはどれくらいか調べます。数時間様子を見て、規則正しく毎時間数回お腹が張る場合は、切迫早産の症状として考えられるので、胎児心拍モニターをつけてお腹の張りを検査します。胎児心拍モニターには子宮収縮を測定する装置がついているからです。
次に子宮頚部の長さを経膣超音波検査で測定します。子宮頚部の長さは正常で35ミリ~40ミリです。この長さより短かった場合は切迫早産の診断がほぼ確定します。
子宮頚部の長さが20ミリ以下となると、切迫早産と診断される他に入院の必要性も出てきます。
更に先ほどの切迫早産の原因の一つにあげられている細菌感染を調べる検査もします。膣内の炎症をとらえることが出来るので、重症化を防げます。
切迫早産・自宅安静
基本は安静と子宮収縮抑制剤(ウテメリンなど)を使用します。
切迫早産でも自宅安静の人と、入院の人がいます。自宅安静の場合は、子宮収縮抑制剤の服用と、外出を控えて最低限の家事をするのみで、ひたすら寝ている事になります。
本来であれば、トイレとシャワー以外はなるべく動かないようにしなければいけませんが、お子さんがいたりするとどうしても家事をしなければいけなくなりますね。
そういう場合は、料理は座りながら行う。後片付けはなるべく誰かにお願いします。冷えは切迫早産には大敵ですから、足元を温めながら行いましょう。
掃除や洗濯は負担が大きいので、なるべく誰かにお願いします。どうしてもしなければいけない場合は、休みながら行います。
重い物を持つ事は危険ですので、買い物は誰かにお願いするか、宅配サービスなどを利用しましょう。
更に入浴を許可されている場合は、ぬるめのお湯で短時間入ります。入浴は体力を消耗するうえ、感染症を引き起こす危険性があるのでなるべくシャワーにしましょう。
切迫早産入院・準備
もし、切迫早産が重症化し、早産の可能性が高いと入院となります。入院すると子宮収縮抑制剤の他に、もし感染症の疑いがあれば抗生剤の投与もします。点滴を打ち、ひたすら安静にする事になります。
場合によっては、シャワーやトイレも駄目な場合があります。入院中は暇な時間が増えると思うので、読書やテレビを見たり、編み物など、何か工夫して物を持っていく必要があります。
入院になった場合に準備するものは、その病院で違うと思うので聞いてみましょう。ちなみに最低限、マタニティ用パジャマ、歯ブラシ、ドライヤー、スリッパなどは準備していて良いと思います。
この他に、切迫早産で入院した方々が便利だったと言っていた物を紹介します。
ドライシャンプー
水やお湯を使用しないシャンプー
毎日シャワーを浴びられるとは限らないので、あると便利ですね。
点滴スタンドに引っ掛けられる鞄
入院すると、ほぼ点滴で過ごす事になり、診察にも点滴をしたまま行く事になります。診察時に使う物や、普段から使う事が多い物を入れておくすぐに取り出せて便利です。
保冷グッズ
点滴や薬の副作用で、体温が上がる人が多いです。病院には氷枕も常備してありますが、あまり毎回頼むのも気が引けますよね。
また、大部屋の場合は空調を変えられないので、自分で保冷グッズを持っておくと便利です。切迫早産はとにかく安静が第一です。
普段休めない分、ここぞとばかりにお腹の赤ちゃんとゆっくりしましょう。
まとめ
切迫早産のあれこれ
切迫早産と早産の違い
切迫早産の原因は?
切迫早産の診断
切迫早産・自宅安静
切迫早産入院・準備