染色体異常という言葉はよく聞きますが、実際染色体異常は何かと聞かれると答えられない・よく分からない方が多いことでしょう。染色体異常は誰にでも起こり、リスクも様々ですからぜひ皆さんに知っていただきたいのです。今日は 染色体異常 について詳しく説明します。
染色体異常のあれこれ
染色体異常とは
一般的に染色体は2本で対になっていますが、何かの原因で1本、または3本以上になる現象を染色体異常といい、染色体異常が起こると出産時に知的障害や、奇形が出る確率が上がります。
染色体は大きい方から順に番号が割り振られ、染色体番号が小さければ小さいほど異常が出ると重症化してしまいます。
例えば21番染色体異常はダウン症、18番染色体異常はエドワーズ症候群、13番染色体異常はパトー症候群といい重い障害を持って生まれる確率が高いです。
染色体異常の症状
染色体異常の胎児の症状で代表的なものは3つあります。1つは21トリソミーと言い、21番目の染色体が1本増えるダウン症候群は、どの親から生まれても吊り上がった目、平たい鼻、目頭を覆う皮膚等の特徴ある顔をしています。
ダウン症の子供は素直で愛らしい反面、半数の子供に心臓病や腸の奇形、白血病などの症状がみられる他、知的や運動の発達面が大幅に遅れがちな子供が多くいます。
2つめは、18トリソミーと言い、18番目の染色体が1本多いことからなるエドワーズ症候群は、低体重児である他に小さい顎、耳や指の位置が低い、または変形している先天性疾患です。
エドワーズ症候群はダウン症に次いで発症する可能性が高く、生後の生存率が低く2か月までに半数が亡くなります。
3つめは、13トリソミーと言い、13番目の染色体が1本多いために起こるパトー症候群は、こちらの症状は脳や心臓に大きな障害がある他、手足や指の変形、てんかんや無呼吸発作等の重度な場合が非常に多いです。
このパトー症候群は1番生存率が低いと言われ、生後1か月で約半分の子供が亡くなり、1年以内に90%が亡くなるデータがあります。
染色体検査方法
染色体の異常を早期発見するために3種類の検査方法があります。
1つはクアトロテストと言い、妊娠15週~17週までの妊婦さんの血液をとり、血液の中に含まれるホルモンや腫瘍マーカーに、妊婦さんの年齢や人種等を追加情報として赤ちゃんの染色体に異常がないか確率を計算する方法です。
2つめは羊水検査で、妊娠15週以降に行い、クアトロテストと違い子宮に直接針を刺して羊水の一部を採取し、羊水に含まれる赤ちゃんの細胞を見て染色体異常が無いか調べる方法です。
この検査はクアトロテストよりも正確ですから、クアトロテストをして陽性が出た場合、こちらの羊水検査を勧められます。お腹に直接針をさすことで刺激となり、流産や子宮内感染等の異常が発生する場合があるので、慎重に行わなければいけません。
3つめは、血液を採って行う出生前診断で、妊娠12週~18週頃に行うことができ、精密で正確性の高い検査となります。
こちらの検査は現在、どこの病院でも受けられるわけでは無く、大きい病院で受けることが可能です。さらにたとえこの出生前診断が正確だったとしても染色体異常をより詳しく判断するために羊水検査を勧められます。
染色体異常で流産
染色体異常が原因となり起こる流産ですが、この染色体異常が最大の流産原因となっており60%~70%の確率です。
多くの染色体異常により、起こる流産は母体に原因があるのではなく、既に授精時に異常が発生していると考えられます。従って防ぎようが無く、卵子の問題ですので、サプリメント等を摂取したとしても改善されるような問題ではありません。
染色体異常の発生率は
染色体異常の発生率は年齢が高いほど増加傾向にあります。染色体異常は20代だと476人中1人の割合に対し、35歳だと192人中1人、40歳だと66人中に1人、45歳だと21人中1人の割合で起こります。
これは高齢になるほど卵子が上手く分裂できずに授精する確率が上がってしまうため、赤ちゃんの染色体異常が起こりやすくなるためです。
染色体異常は、誰にでも発症し得ること、防ぎようのないことです。染色体異常が気になる場合は、検査をお勧めしますが夫婦でよく話し合って下さいね。
まとめ
染色体異常のあれこれ
染色体異常とは
染色体異常の症状
染色体検査方法
染色体異常で流産
染色体異常の発生率は