妊娠中に胎児の染色体異常を検査することができます。胎児の異常を早いうちから知っておくことは赤ちゃんを迎え入れる準備を早くすることが可能です。また、 染色体 の 検査 をおこなう方法はいくつかありますが、それぞれにメリットやデメリットもあります。
検査自体のメリットや各テストごとのメリットなどを詳しく紹介します。
妊娠中の染色体検査…受けたほうが良い?
染色体検査とは?
染色体の検査をおこなうことによって、妊娠中の胎児の染色体異常をみつけることができます。主に出生前診断とよばれている検査です。
近年、出産に関しても高齢化が進んでいます。高齢出産になればなるほど、胎児の染色体異常がおきる確率が高くなるといわれています。胎児に染色体異常がみられると器官形成不全などの障害をもって生まれてくる可能性が高くなります。
個人差はありますが、早い方では妊娠6週のころから検査を受けることが可能になります。検査には羊水検査、母体血中NRBC検査、エコー検査、母体血清マーカー、絨毛検査などがあります。
染色体検査を受けるメリットは?
妊娠中に胎児の染色体の異常を調べることで、産むかどうかの最終判断の材料にもなりますし、産むと決めた場合にはそれ相応の準備をおこなうことが可能になります。
染色体検査をおこなうことでダウン症や18トリソミー、開放性神経管奇形などの病気をみつけることができます。
羊水検査とは?
羊水検査とは、子宮のなかの羊水を採取し、羊水に含まれている胎児の染色体を検査して異常をみつける検査になります。胎児は羊水に浮かぶ形で成長をしていきます。その過程で胎児の細胞が剥がれ落ちることがあります。
その剥がれ落ちた細胞を利用した検査になります。検査方法としては、エコーで胎児の位置を確認しながら注射器を使用し羊水を採取します。妊娠15週から18週での検査が可能です。
検査の精度は高いといったメリットがありますが、子宮へ直接注射器を刺すため流産の可能性があるといったデメリットがあります。
母体血中NRBC検査とは?
母体血中NRBC検査とは、2013年頃から始まった比較的新しい検査です。妊婦さんの血液のなかには胎児の細胞が流れています。そのなかでもNRBCという胎児の有核赤血球を調べることで胎児の染色体の異常をみつけることができるといわれています。
検査方法としては採血をおこなうだけなので、母体に大きな負担をかけることなく検査が可能になります。また、検査の精度も高く、個人差はありますが早い方では妊娠6週での検査が可能といわれています。
エコー検査
エコー検査は超音波を利用して胎児の首の後ろの部分の状態を観察して胎児に異常がみられるかの検査をします。
染色体を直接採取するのではなく、エコーでの透過での検査になるため、精度は比較的低くなり、偽陽性や偽陰性といった結果も多くみられているという報告があります。検査自体は妊娠11週から14週に可能といわれています。
母体血清マーカー
母体血清マーカーとは、妊婦さんの血液中にあるタンパク質の濃度を検査します。胎児に染色体の異常がある場合と異常がない場合ではタンパク質の濃度が異なるといった報告があり、これを利用したテストになります。
このテストはあくまでもスクリーニングとなり、染色体を直接検査しているわけではないため、確実に異常を発見できるといったメリットはありません。検査可能な時期としては、妊娠15週から21週頃です。
絨毛検査
最後の検査は、絨毛検査になります。これは、胎盤を形成している絨毛を採取し培養することによって染色体の異常を検査します。特にこの絨毛は胎児由来の染色体が主な成分となっているため、精度は比較的高い検査となります。
ただし、絨毛を採取するためカテーテルや針を腹部へ刺すため、流産のリスクや感染症のリスクが高くなります。検査は妊娠9週から13週の間に可能になります。
これまでいくつかの検査方法をあげましたが、検査をおこなうかどうか、検査方法の選択はメリットやデメリットをきちんと知るうえで、最適な方法を病院の先生と相談しながら決めることをおすすめします。
まとめ
妊娠中の染色体検査…受けたほうが良い?
染色体検査を受けるメリットは?
羊水検査とは?
母体血中NRBC検査とは?
エコー検査
母体血清マーカー
絨毛検査