生理前になると、無性にお腹が空いて甘い物を暴食してしまう、落ち込む、集中力できず仕事も手につかない、理由もなくイライラする、気分のアップダウンが激しくなる、という人はいませんか?実はこれ、多くの女性が経験している症状です。
しかし、中にはこの鬱のような症状がひどくて日常生活に支障をきたしてしまう人もいます。ここでは、 生理前 の 鬱 症状、PMS(月経前症候群)とPMDD(月経前不快気分障害)と言われる疾患についてみてみます。
生理前のプチ鬱?PMSやPMDDを乗り越えよう
8割位の女性が生理前に経験する
あまり知られていませんが、生理のある女性の8割位が生理前に心身に不快症状を経験すると言われています。しかしそれは生理前1週間頃から生理開始にかけての一定期間のみで、時間が過ぎれば治ります。
そのため、不快症状があっても特に治療することはなく自然に流している人が多いのではないでしょうか。これは、明確な原因は不明ですが、ホルモンバランスの崩れが原因と見られています。生理前の鬱、厳密には PMS(月経前症候群)と PMDD(月経前不快気分障害)に分かれます。
PMS(月経前症候群)
PMS(月経前症候群)は、むくみや頭痛、倦怠感、下痢や便秘など身体的な不快症状に加えて、精神的にはイライラしやすく気持ちの起伏が激しくなって集中力も低下してしまいます。不安感や焦燥感に悩まされる人もいます。
小林製薬の意識調査(2012年)によると、PMSの自覚症状がある女性は85.9%で、その内の88.6%はPMSにストレスを感じ、うち61.8%は仕事を休みたいと思ったことがあると回答しています。
症状の主なものはイライラ感で、人に当たってしまうなど人間関係に支障をきたしてしまう可能性を示唆しています。
PMDD(月経前不快気分障害)
PMDD( 月経前不快気分障害 )は、PMSよりも精神的な症状が重い状態をいいます。PMS症状のある女性の内約5パーセント位の割合で、PMDDに悩まされていると言われています。
うつ病に似た重い抑うつ感 や緊張感、情緒不安定でイライラ感や不安感に苛まれます。絶望感、自殺願望、破壊願望まで精神的に追い詰められた状態になります。
仮眠や不眠になることがあり、吐き気や頭痛などに悩まされることもあります。ここまでくると、普段の日常生活を送ることはかなり厳しい状況になってしまいます。
しかし、PMDDも生理が始まれば、遅くても1、2日で症状が治まります。鬱病に似た症状ですが、大きな違いは症状が一定期間だけ出るということです。
対処方法
生理前に心身共に不調になると感じている人は、まず自分の症状を把握しておくことが大切です。基礎体温をつけて排卵と生理までの期間を把握しましょう。その上で、ある一定期間のみそのような症状が出ているなら、PMSやPMDDを疑ってみて下さい。
症状が軽く自分で対処できそうな場合は、言動や対人関係などに気をつけながら無理をしないように気を付けて下さい。また、普段以上に栄養状態に気をつけるといいでしょう。
貧血や低血糖はPMSやPMDDの精神疾患を助長させることがあります。イライラが治まらず、集中力もない、仕事の作業効率が落ちて周囲にも迷惑をかけてしまうというのであれば、一度病院で診てもらいましょう。そして症状が重い日は思い切って休むことも大切です。
PMDDは薬で改善を
精神的な不快症状の強いPMDDは、アメリカでは鬱病の一種と認められています。PMDDの根本的な要因ははっきりしていませんが、食欲や情緒や睡眠などに影響を与える神経伝達物質セロトニンが不足することによって、極度の精神不安が起きると見られています。
その為、症状が酷い場合は低用量ピルによって一時的に排卵を止めて女性ホルモンの分泌を低下させると共に、セロトニンの減少を抑える薬を服用することによって、症状の改善が期待できます。しかし、妊活中の人は副作用が怖いものです。医師と相談しながら薬を調節しましょう。
今回は生理前の鬱についてみてきました。PMSもPMDDも厄介ですが、無理をしないように心がけましょう。そして、辛い時は我慢しないで受診してください。辛いですがうまく乗り越えられるといいですね!
まとめ
生理前のプチ鬱?PMSやPMDDを乗り越えよう
8割位の女性が生理前に経験する
PMS(月経前症候群)
PMDD(月経前不快気分障害)
対処方法
PMDDは薬で改善を