生理前 に起こる様々な体の不調をPMS(月経前症候群)と呼びます。PMSは80%以上の女性が経験するといわれる珍しくない症状です。そのうちの一つの症状が 吐き気 です。
吐き気は超妊娠初期症状の一つでもありますが、これらはどのように切り分けるのがよいのでしょうか。
妊娠のときと何が違う?生理前に起こる吐き気
PMS(月経前症候群)の症状とは
PMSは月経1~2週間前に様々な心身の異常が起こるものの、月経が始まれば楽になるという症状です。8割近い女性が生理前に感じるとされるPMSの症状として多いのは、イライラ・胸のハリ・頭痛・腹痛・吐き気・憂鬱などが挙げられます。
ではなぜPMSは引き起こされるのでしょうか。実はそのメカニズムは、要因が複雑ではっきりとはわかっていないのが現状なのです。
いくつか考えられているうちの一つの説は女性ホルモンのバランス、つまりエストロゲンとプロゲステロンの分泌量の増減です。エストロゲンの分泌量をプロゲステロン(妊娠を助ける効果を持つ)が上回ることによってPMS症状が引き起こされると考えられています。
超妊娠初期症状とは
妊娠週数4週目ぐらいからつわりの症状が現れる可能性がありこれを超妊娠初期症状と呼びます。超妊娠初期症状、妊娠初期症状の例としては、異様に眠くなる・においに敏感になる・吐き気・熱っぽくなるなどがいわれています。
この初期症状の場合に吐き気が起こる理由として非妊娠時にはないhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌されることで嘔吐中枢を刺激しているのではないかといわれています。
PMSでなぜ吐き気が起こる?
PMSの場合、なぜ吐き気が起こるのでしょうか。その原因として考えられるのはホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンのバランスが乱れ、かつ体内のプロスタグランジン(生理中に分泌される)が増えると吐き気に繋がると考えられています。
プロスタグランジンは、本来は生理中に分泌され子宮を収縮させて経血を体外にスムーズに出す役割を担っています。しかしこの物質は過剰に分泌されると痛みを増幅させる働きがあるので、吐き気の原因にもなります。
PMSの吐き気と超妊娠初期症状との見極め方
PMSと超妊娠初期症状の見極め方はどのようなものでしょうか。もちろんPMSの吐き気の場合は月経がくれば治まります。
そして超妊娠初期症状の場合は、いわゆるつわりというにおいに敏感になるなど他の症状と合わせて出てくることもあります。またなによりも、基礎体温を付けてみて体温が高い状態が続けば妊娠している可能性が高くなります。
毎周期基礎体温を付けると良い理由は自分が妊娠しているかどうかの確認がしやすくなることでもあります。
PMSの吐き気を弱める対策とは
毎周期PMSに悩まされるのは辛いですよね。PMSでの吐き気などを和らげる対策にはどのようなものがあるのでしょうか。まずは薬の服用です。PMSに有効な薬としてはまず低用量ピルが挙げられます。
PMSとしての吐き気は抑えられても、副作用によって吐き気が誘発されてしまうこともあるので注意が必要です。何より、低用量ピルは吐き気の副作用だけではなく、血栓などほかの副作用も起こる可能性がありますので医師の診察を受けて相談してから服用するようにしましょう。
現在PMS外来が増えてきていますから、受診して詳しく相談してみてもいいでしょう。また漢方薬も十分有効です。たとえば当帰芍薬散、五苓散、加味逍遥散などがありますが即効性があるわけではありません。
自分にはどの薬が合っているのかを詳しく知りたい場合には医師や薬剤師などと相談してみましょう。もちろんピルや漢方薬に頼るだけではなく、バランスの良い食生活と適度な運動を心がけることもPMSを抑えるためには重要です。
特に女性の体に足りなくなりやすい鉄分やビタミンB群を意識すると良いでしょう。吐き気が特につらいという方は、吐き気を誘発するプロスタグランジンという物質の過剰分泌を抑えるためには体を冷やさず、血行を良くすることです。
女性には冷え性が多いですから、体を中から温める工夫をするようにしましょう。
まとめ
妊娠のときと何が違う?生理前に起こる吐き気
PMS(月経前症候群)の症状とは
超妊娠初期症状とは
PMSでなぜ吐き気が起こる
PMSの吐き気と超妊娠初期症状との見極め方
PMSの吐き気を弱める対策とは