生理の前になると体温が高い状態が続いている…なんてことはよくある話です。風邪かな?と思うこともありますが、これは 生理中 におきる体温の変化のため、身体はいたって健康な状態です。では、なぜこのような 体温 の変化がおきるのでしょうか。
それは、ホルモンが大きく関係していたのです。
生理中におこる体温変化の原因は?
生理に関係する女性ホルモン
生理には2つの女性ホルモンが関係しています。まずは体温の上昇や妊娠した場合にそなえて水分・栄養分を身体に蓄えるはたらきのあるプロゲステロンです。これは、生理開始前から分泌量が増え、生理開始とともに分泌量が減少していきます。
次に、身体の代謝を促すはたらきのあるエストロゲンです。エストロゲンは生理の前には妊娠しやすくするために子宮内膜を厚くする役割もあります。これらのホルモンが互いに作用しながら生理周期を循環させているのです。
生理周期の体温変化
生理は一定の周期でおきる女性特有の身体の変化です。一般的には28日から30日の周期で身体が妊娠をするための準備をおこなっているのです。生理周期をさらに細かく見てみると、卵胞期・排卵期・黄体期・生理という4つの期間にわけることができます。
それぞれの期間に特徴があり、それぞれの期間では基礎体温というものが関係しています。基礎体温は朝おきてから身体を動かす前に測る体温のことで、生理周期に合わせて基礎体温は変化していきます。
では、生理周期の各期間と基礎体温にはどのような関係があるのでしょうか。
卵胞期
卵胞期は身体が妊娠に向けて準備をはじめていく期間です。この時期は前回の生理が終わり、エストロゲンの分泌が優位にあり、基礎体温は低い状態です。身体が脳から指令を受け、卵を作成し、子宮内膜を厚くしていき妊娠に向けて準備をしていきます。
排卵期
卵胞期で作成した卵のうちひとつが成熟し、卵管とよばれる場所へ向かって排卵される時期です。
この時、身体の中ではホルモンの分泌量がエストロゲン優位の状態からプロゲステロン優位へと変化していき、これにともない基礎体温も低温期から高温期へと変化していきます。
黄体期
黄体期は赤ちゃんのもととなる卵が完成した状態で子宮へと移動していき、子宮内への着床を促す時期になります。この時期にはエストロゲンが多く分泌され、妊娠が成立した場合に備えて基礎体温を高く保っています。
黄体期は生理周期では生理の直前の時期にあたります。つまり、生理の前になると体温が高くなり、熱っぽく感じるのはプロゲステロンの分泌量が増えることが原因となるのです。
生理
黄体期に妊娠が成立しなかった場合、身体は次の妊娠へ向けて子宮のなかを一度きれいに掃除しようとします。これまで準備をしてきた子宮内膜などを血液と一緒に体外へと排出するのです。これが一般的に生理とよばれている現象です。
また、生理が始まると、妊娠を継続するために分泌され続けていたプロゲステロンの分泌がおさまり、エストロゲンが優位な状態へと変化するため、基礎体温は下がっていきます。
基礎体温が乱れると生理不順または不妊の原因に
これまで、生理周期に合わせた基礎体温の変化についてお話をしてきましたが、基礎体温は計測を続けていくと排卵日や生理がおきる時期がだいたい予想ができるようになるのです。
しかし、生活習慣の乱れやストレスなどの影響を受けやすいといった特徴もあるため、基礎体温はだいたい3ヶ月といった長い期間計測したうえで正確なものがわかるといわれています。
また、3ヶ月ほど計測を続けてみて、基礎体温が安定しない、低温期と高温期の差が大きすぎる場合には、生理不順や不妊などの原因となってしまいます。その場合には、ただちに病院へいき、日常生活の乱れなどを見直すことをおすすめします。
まとめ
生理中におこる体温変化の原因は?
生理に関係する女性ホルモン
卵胞期
排卵期
黄体期
生理
基礎体温が乱れると生理不順または不妊の原因に