性機能が成熟しても生理が始まらないことを原発性無月経といい、 生理 は始まっていたけれどある時期から 来ない ことを続発性無月経といいます。
今回は、原発性と続発性のそれぞれで 腹痛 があるときに考えられる病気について解説します。
生理が来ないのに腹痛がある。これって病気?
10代で生理が来ないのに毎月腹痛があるときの原因
日本人の女子平均初潮年齢は12歳です。12歳で過半数の人は生理が始まり、17歳になると98%の人で生理が始まっています。そのため、18歳を過ぎても生理が始まらないときには、なんらかの病気が隠れていると考え原発性無月経と呼ばれるようになります。
18歳以降に自然と生理が始まったときには晩発初経といいますが、とても稀なケースです。卵巣や子宮が正常に発達し、生理はあるのに血液の流出経路に障害があるため生理が来ないと思っていることもあります。
10代で毎月腹痛はあるのに生理が来ないときには、流出経路に異常があると考えていいでしょう。原発性無月経のほとんどは、先天性の卵巣形成障害によるものです。
卵巣形成障害以外では、卵巣と子宮をつかさどる性中枢の異常もしくは副腎や甲状腺の内分泌系の異常が考えられます。
早期に発見し治療を開始することで、妊娠も出産も可能です。もしも妊娠と出産が無理だったとしても、二次性徴を発達させて女性らしい体を作ることは大切なことです。
二次性徴の影響を少なくするためにも、15歳で生理が始まっていないときには、産婦人科を受診してみてもいいかもしれません。
子宮発育不全は治療によって妊娠も可能
生理周期については完全に解明されてはいません。生理周期が38日から45日を超えても生理がおとずれないことを希発月経といいます。
希発月経であっても排卵があれば生理周期の時計が長いだけなので、不妊の原因になることもなく、エストロゲン過剰による出血がなければ心配することはないでしょう。
無排卵の生理が長期間にわたって続くようであれば不妊の原因にもなりかねないため、排卵誘発療法が検討されるかもしれません。
また、希発月経の場合には、子宮発育不全の可能性も考えられます。子宮発育不全は、子宮の発育が悪く小さい状態のことをいいます。性器全体の発育不全がみられることもありますが、とても稀なことです。ほとんどは軽症です。
子宮発育不全の人は、初潮は遅い傾向があり、生理不順や希発月経であることが多いでしょう。中には不妊症や妊娠しても流産または早産になりやすいともいわれています。子宮の発育には、エストロゲンがとても関与しています。
子宮発育不全の人は、卵巣機能が低下しエストロゲンの分泌が少ない、または下垂体機能が低下し卵巣からのホルモン分泌が少ないことがあります。
いずれにしても原因をはっきりさせる必要があります。複雑な子宮発育不全では、治療は期待できないこともあります。しかし、軽症であれば偽妊娠療法というホルモン療法を行い、妊娠することも可能になります。
生理前の腹痛で一番多い原因は月経前緊張症
生理の数日前から腹痛が始まり、生理が始まるとともに症状がなくなるようであれば月経前緊張症の可能性があります。月経困難症と名前は似ていますが、月経困難症よりも頻度は高くなく、症状も軽いことが多いでしょう。
原因は不明ですが、排卵にともなうホルモンの影響と考えられているようです。性機能の感受性が高いためにホルモンが十分に分泌され、そのホルモンに対して脳が反応していると考えられます。
症状が強いときには、経口避妊薬を服用し排卵をコントロールすることで改善することが多いようです。精神的な不安が強いときには、マイナートランキライザーや選択的セロトニン再吸収阻害薬が効果的といわれています。
まとめ
生理が来ないのに腹痛がある。これって病気?
10代で生理が来ないのに毎月腹痛があるときの原因
子宮発育不全は治療によって妊娠も可能
生理前の腹痛で一番多い原因は月経前緊張症