赤ちゃんをお腹の中で大事に育ててくれた子宮は出産すると今度は大きく膨らんだものを元の大きさに戻そうと頑張ります。しかし何かが原因で子宮が元に戻らない人がいます。産褥子宮復古不全はつらい症状です。
今回は、悪露が止まらないと感じる人へ 産褥子宮復古不全 の症状と対策について説明します。
悪露が止まらない?産褥子宮復古不全の症状と対策
産褥子宮復古不全って何?
出産までに子宮は胃を持ち上げてしまうくらい大きく膨らみます。その大きく膨らんだ子宮は出産後から収縮を開始し徐々に元の大きさに戻っていきます。重さが元に戻るのには約2ヶ月かかり、子宮の内膜が元に戻るには1ヶ月半~2ヶ月程度かかると言われています。
産褥子宮復古不全はいろいろな原因で子宮の収縮が上手くいかなくなり子宮の大きさや重さ、硬さの戻りが遅い状態を言います。
どんな症状があるのか
産褥子宮復古不全の症状を幾つか紹介します。
1つ目は悪露です。悪露は出産した後に子宮内に残っている不要になった卵膜や胎盤が主に1ヶ月程度かけて流れ落ちる症状を言います。通常であれば悪露は最初は量が多いものの、どんどん減少していき1ヶ月でおりもののような状態へと変化していきます。
しかし産褥子宮復古不全になると悪露が1ヶ月過ぎても止まらずにでていたりレバーのような血の塊がでたりします。産褥子宮復古不全だと気づかずに放置していると子宮の中に長い時間排出されなければいけない残存物が残ってしまい、それがポリープ化していきます。
これを胎盤ポリープといい、大出血を引きおこしてしまう場合があります。
2つ目は産褥熱です。悪露の出が悪かったり、大量に出血していると細菌に感染しやすい状態をつくってしまいます。そのため高熱がでたり子宮痛を感じてしまう人もいます。
産褥子宮復古不全の原因は何?
原因は1つではなく幾つかあります。説明するので当てはまるものがないかチェックしてみると良いでしょう。まずは巨大児や多胎妊娠です。赤ちゃんが子宮の中で大きくなりすぎると子宮の伸びが大きく元に戻りにくくなります。
2つ目は分娩時に微弱陣痛や難産、帝王切開をした人です。この場合、思った以上に子宮筋が衰弱し疲労してしまっています。
3つ目は妊娠高血圧症候群や貧血などで体調が優れない場合です。体の回復が遅いだけでなく子宮の回復も遅くなります。
また子宮内に悪露が残ってしまった場合、子宮内感染をしている可能性もあります。この場合は発熱や痛みを感じるので気づきやすいです。
産褥子宮復古不全になってしまったら
産褥子宮復古不全になってしまったら、排尿や排便は我慢しないようにしましょう。排尿や排便を我慢するのも産褥子宮復古不全の原因になっています。もし便秘の場合は医師へ話をして便秘薬を処方してもらいましょう。尿意を感じづらい人がいるなら時間を決めてトイレに行ってみましょう。
産褥子宮復古不全は子宮の収縮が遅くなっていることがあげられるので、医師が許可をしたらできるだけ早い内に歩いたりして子宮の収縮を促すようにしましょう。歩行は体調が優れない時とふらつく時は無理をしないで行うようにしましょう。
また赤ちゃんに乳首を吸われると子宮の収縮が早くなります。赤ちゃんによく母乳を飲んでもらうようにすると良いです。安静にしすぎると悪化します。産褥体操を行ったり簡単なストレッチをしたりして過ごすようにしましょう。
産褥子宮復古不全の場合は無理をせず病院を受診しよう
病院では子宮収縮剤を使用して治療を行います。子宮の収縮を促して子宮の回復を早めます。また細菌に感染している場合は抗生剤を飲んだり、点滴をしたりします。子宮内に残存物があった場合は医師の判断で手術を行うことになります。
しかし産後1ヶ月以内に手術を行うと子宮内が傷ついてしまう場合があるので注意して行わなければいけません。なるべく手術を行う前に治したいものです。
産褥子宮復古不全にならないように産後は子宮の収縮を促さなければいけません。体調が良い時になるべく動くように心がけましょう。
まとめ
悪露が止まらない?産褥子宮復古不全の症状と対策
産褥子宮復古不全って何?
どんな症状があるのか
産褥子宮復古不全の原因は何?
産褥子宮復古不全になってしまったら
産褥子宮復古不全の場合は無理をせず病院を受診しよう