通常、胎児は羊水の中で頭位(とうい)という頭を下にした状態で過ごしますが、逆子の場合頭が上になったり横になっていたりしている状態です。骨盤位(こつばんい)や横位(おうい)と呼びます。
では 逆子 の場合の問題点と直し方についてご説明いたします。
なぜ胎児は逆子になる?直し方は?
逆子とはどのような状態?いつまでに直れば良い?
胎児は出産前には頭位の状態になっていなければなりませんが、逆子の場合には頭が上になったりしています。とはいえ、妊娠中期までは、胎児の位置はまだまだ定まらず、7割ほどが逆子の状態となっています。
週数が進むにつれ、妊娠28週頃までには頭の重さによって自然に頭位となり出産を待ちます。しかし、3~5%は逆子のままでお産になることがあるといいます。特に、妊娠30週以降になってしまうと、胎児の体も大きくなって回ることができなくなるため位置が定まってしまいます。
ですから、28週を過ぎてもなお逆子の場合には何か策を講じる必要があるかもしれません。36週になってもまだ直らない場合には、37週から38週の間で帝王切開の手術日を決定します。
逆子になる原因とは?
逆子になる原因は、胎児側と母親側双方にあります。母親側の場合、狭骨盤(きょうこつばん)、前置胎盤、子宮筋腫、羊水過多または羊水過少などが考えられます。
狭骨盤は身長が150cm以下など小柄な母親に多く、骨盤が小さいため胎児が通りぬけることができない可能性があります。前置胎盤とは、胎盤がお産を妨げる子宮口を一部もしくは全部塞いだりする場合です。
子宮筋腫は腫瘍の一種で、それにより子宮の容積が狭まると胎児がうまく回ることができず逆子になる場合があります。特に、冷え性だと逆子になる可能性が高いと言われています。胎児側の場合は胎児奇形、多胎児、胎児水腫などです。医師と相談して対処を考えましょう。
逆子でも経膣分娩できる場合がある?
多胎児の場合は難しいかもしれませんが、単体児で向きによっては可能です。まず、単臀位(たんでんい)は足が両方とも上向きになっている状態です。お産となるとお尻から出るので経膣分娩は可能です。
全複臀位(ぜんふくでんい)は両方の膝が曲がっている状態です。お産のときに両膝が曲がりお尻よりも上にあれば自然分娩も可能ですがリスクは単臀位よりは高いです。
全足位(ぜんそくい)は足を伸ばしている状態で、これは帝王切開になります。全膝位(ぜんしつい)は、両膝を曲げて膝が一番下になっている状態です。この場合は帝王切開になります。
不全複臀位(ふぜんふくでんい)は、片膝のみ曲がりもう片方の足は上に上げている状態です。お尻よりも足が上にあれば、経膣分娩も可能です。
逆子を直すための治療ってある?
逆子を医学的に直す方法は2種類あります。外回転術とお灸です。外回転術は体の外から医師が徒手で胎児を回す方法です。超音波で胎児の様子を確認しながら行う方法で、行う病院も限られています。
成功率は約50%ですが母子ともに苦痛を伴う方法で、場合によっては早期胎盤剥離や胎児の心拍数低下などが起こりそのまま緊急帝王切開がなされる場合もあります。この外回転術は医療保険で補助が出る場合もあります。
一方のお灸は、28週目にお灸をするとかなりの確率で逆子が直るといわれています。28週目以降は少しずつ確率が下がるとも言われていますので注意が必要です。
逆子体操とはどのようなもの?
母親が自分でできる方法として、この逆子体操があります。ただし、逆子体操の効果については医師によって考え方が異なるところです。お腹が張ったり苦しかったりする時はすぐに休みましょう。
逆子体操には3種類あります。
まず、胸膝位(きょうしつい)といううつ伏せになり両膝をついてお尻をできるだけ高く持ち上げます。15~20分続けたら休みましょう。
次に仰臥位(ぎょうがい)、またはブリッジ法があります。仰向けに寝て、腰の下にクッションなどを当ててそのままの姿勢で10分ほど保ちます。初めのうちは意外に苦しいかもしれませんので、2~3分から始めてみてください。
最後に側臥位(そくがい)という横向きの姿勢です。胎児の背中が上を向くようにすることで回転することがあります。医師に相談してみてください。
まとめ
なぜ胎児は逆子になる?直し方は?
逆子とはどのような状態?いつまでに直れば良い?
逆子になる原因とは?
逆子でも経膣分娩できる場合がある?
逆子を直すための治療ってある?
逆子体操とはどのようなもの?