せっかく授かった赤ちゃんを突然失ったショックはとても大きなものです。なぜ?どうして?と自問自答し自分を責めてしまいがちですが、少しの間でも一緒に過ごせた赤ちゃんに感謝して、今はこれからのために心と身体の回復に専念し、ゆっくりと過ごしましょう。
流産後 の女性の身体はとてもダメージを受けています。流産の術後1か月間は特に注意が必要です。この時期に無理をすると、不妊症になったり、合併症をひきおこす可能性があるからです。
流産後の心と身体
流産後の身体
流産は妊娠12週未満でおこることが多く、原因のほとんどは胎児の染色体異常によるものです。妊娠して間もないころに流産すると、胎児や胎盤は自然に流れてしまうことが多いのですが、胎児が少し成長した状態で流産となってしまうと、子宮内に残存物が残ってしまったり、子宮内が傷ついていたりして治療が必要になります。
子宮内容物が残っている場合は、まずは自然に内容物が下りてくるのを待ちます。経過を見て出てこないようであれば、子宮収縮剤を服用して人工的に陣痛を起こし排出を促します。最終手段として、どうしても排出されない場合は、麻酔をして、子宮内容除去手術をおこないます。
身体への負担が大きいため、できるだけ自然に任せたいところですが、残しておくと回復が遅れ、不妊の原因となってしまうため、早目の処置が必要です。
流産後の回復
流産のあと、また次の妊娠ができるようになるまで回復するには、どの位の期間が必要なのでしょう?回復の期間は流産した時の妊娠週数や流産の仕方、精神的なダメージの大きさによって異なります。
早期に完全に流れてしまった場合は、身体への負担が少ないため回復も比較的早く、2~3週間で次の生理がきます。子宮内容除去手術を受けた場合も6週間後までには生理がきます。流産後の生理を2~3回見送れば、子宮内も元の状態に戻り、次の妊娠をすることができます。
術後6週間を過ぎても生理がこない場合は、ホルモンバランスが回復していないかもしれません。このような場合は、病院に行くとホルモン剤が処方されます。薬の力で強制的に生理を起こさせると、生理のリズムがリセットされバランスが整います。
また、下腹部痛や少量の出血が続いている場合は、術後の経過がよくないことも考えられます。手術で除去したはずの内容物がまだ子宮内に残っているかもしれません。1か月以上体調が回復しない場合は、病院で診てもらいましょう。場合によっては、再手術が必要になります。
医療保険の給付金
流産の処置でかかった費用に給付金がおりるなんて意外ですが、子宮内容除去手術を受けた場合、加入している医療保険の手術給付金がおりることがあります。また、入院をした場合も入院給付金の対象となる可能性があるので、契約内容を確認してみましょう。
「流産をしてお金の話なんて…」と思うかもしれませんが、そのお金で次の妊娠のための不妊治療や、次の子供の出産費用に備えることもできます。しかし、給付金は手術や入院に対しておりるものなので、手術や入院をしていない場合は対象外となりますので注意しましょう。
気持ちを切り替えるために
流産には、経験した人にしか分からない無力感、罪悪感、喪失感が伴います。たとえ信頼できるパートナーであっても、本当にわかってもらうことは、なかなかできないものです。しかし、流産はお母さんのせいではありません。今回は赤ちゃんにとってタイミングが悪かっただけなのです。
お母さんの身体が回復し、妊娠できるようになったら、また帰ってきます。その時のために、今度こそ赤ちゃんを抱けるように、赤ちゃんが快適に過ごせる環境整えるつもりで、ゆっくり休みましょう。
まとめ
流産後の心と身体
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流産後の回復
医療保険の給付金
気持ちを切り替えるために