待望の赤ちゃんができて喜びも束の間、不幸にも流産してしまうと女性の心は罪悪感と失望感でいっぱいになり「赤ちゃんを産むことはできないのではないか?」と考えてしまいます。
しかし初期 流産 は全体の10~15%、およそ13人に一人もあると言われ、その原因も必ずしも妊婦にあるとは言えないのです。正しい知識を身に着けて気を落とさずに前向きにいつもの自分を取り戻しましょう。
初期流産は、あなたのせいではありません。
胎児の染色体異常
初期流産の原因のほとんどは胎児に染色体異常(受精卵の異常)によるものだと言われていす。受精卵が何らかの原因でうまく細胞分裂できなかった事によるもので、妊婦の行動が原因ではありません。多くの妊婦が原因と考えている「動きすぎ」「冷え」「転んだ」「おなかをぶつけた」といったことが原因でははないといえます。
体外受精の現場では顕微鏡を覗きながら人間の手で受精させますがこの場合でも染色体異常のある受精卵の動きは鈍く、体内に移す事のできる状態にはならないようです。
また染色体の異常といっても偶発的なものがほとんどなので、次の妊娠には影響はありません。
ストレス
初めての妊娠の方や過去に流産の経験がある方は特に、これから起きる様々な出来事に不安を感じていたり家族や職場の人など身近な人に体調の変化や不安を理解してもらえないというストレスを抱えていることが多いようです。
「ストレスは万病の元」と言われるように、妊婦の体にとっても決して良いものではありません。最悪の場合ストレスによる切迫流産をするケースもあります。
またストレスが過剰になると体内で『活性酸素』が発生し遺伝子を攻撃して染色体異常を引き起こすという説もあります。意識して、無理をしない自然体で過ごせるような環境を整えましょう。
加齢による着床率の低下
晩婚化にともない出産年齢も高齢化しつつありますが、初産年齢が40歳を過ぎる頃になると月経周期が不規則となり卵子の染色体異常の頻度も大幅に上昇する事が原因で受精卵の着床率は一揆に下がります。
卵巣の中には卵胞と呼ばれる卵子の卵が多数入っていますが年齢ととともにその数が減少していくので必然的に正常な卵子自体ができにくくなります。つまり老化により卵子そのものの生命力が低下するということです。
そのような観点から考えると自然妊娠は36歳までが望ましく、不妊治療などの人口的な妊娠は42~43歳までという年齢が一つの基準となります。
流産のウワサ
昔から流産に関係する言い伝えがありますがあまり根拠といえるものはありません。一見、怖いウワサも実は妊婦の体を気遣った温かい配慮の言葉だと言えます。
妊婦がお葬式で出るとおなかの子があの世に連れていかれる
まさかそんな事はありませんが、お葬式に出席すると長時間立ちっぱなしで過ごさなければならくなったり、色々と手伝わなければならなくなったりして疲れるので、妊婦さんを配慮しての言葉と受け止めましょう。
イカ、タコ、こんにゃく、タケノコを食べると流産する
これらに共通するのは消化があまり良くない食べ物であるということです。それを食べたからといって流産することはありませんがこれも、もっと栄養価の高い物を食べなさいという配慮がうかがえます。
秋なすは嫁に食わすな
茄子は身体を冷やす作用があり、身重な嫁の身体には冷えるのはよくないので、嫁には食べさせないという実際的な健康上の配慮からの言葉だという説があります。また、象徴的な意味でなすは種が小さいので「子種がなくなる」という迷信もあります。
妊娠中に温泉に入ると流産する
温泉に入ったからといって温泉の成分が胎児に直接影響を及ぼすことはありません。ただ、妊娠中は脳貧血(たちくらみ、めまい、失神)をおこしやすく滑りやすい浴場では十分注意が必要です。
妊娠中に家を建てると流産する
引っ越しや家事などで動き回らなければならなくなるので、妊婦を気遣った配慮です。
まとめ
初期流産は、あなたのせいではありません。
胎児の染色体異常
ストレス
加齢による着床率の低下
流産のウワサ