生理が始まる3日~10日くらい前から起こるイライラや頭痛、倦怠感は、月経のある女性の約80%が抱えているといわれています。
このような症状を月経前症候群と言い、PMS(Premenstrual Syndrome)と呼ばれています。今回は、 PMS治療 についてご紹介します。
PMS治療であなたの苦悩は軽減できる
PMSは現代病?
PMSという言葉は最近知られるようになりましたが、近年のように女性が社会に出て働くのが当たり前ではなかった時代の女性達にPMSの症状はなかったのでしょうか?
昔も今と同じように「生理前になると調子が悪くなる」といった症状を持った女性はいたはずですが、PMSという概念自体がなかったため治療の手段もなく、ただ我慢をするしかなかったのかもしれません。
また、PMSは月経が原因で起こる症状であるため、月経がない時は症状は出ません。従って、現代の女性より初潮の時期が遅く、閉経が早かったため生涯の月経のある期間が短かったことや、初潮後数年で子供を産み、立て続けに何人も出産することが多かったことを考えると、今より症状に悩む時期が少なかったのかもしれません。
逆に現代の女性は、晩婚化や少子化で生涯の月経回数が増え、炭水化物中心の食生活やストレスが原因でPMSの患者は増え続けているため、現代病といえるのかもしれません。
PMSに効く食べ物
PMSになると無性に何か食べたくなる症状があります。これは生理前になると体内の血糖値を一定に保つのが難しくなるためです。
特に普段から甘い物を摂ることを習慣にしている人は、急激に血糖値が上昇して、それを抑えようとインシュリンが過剰に分泌されて急激に血糖値が下がるようになります。低血糖になると精神が不安定になり、イライラや不安な気持ちになりやすくなります。
血糖値をなるべく一定に保つには、空腹を感じる前にしっかりと食事を摂ることが大切です。できれば食事は1日3食ではなく、1回の量を減らして1日5~6食で小分けで摂ると効果的です。
甘いものやカフェインなどの嗜好品や脂肪分の多い物はなるべく避け、ビタミンとミネラルを含む食品を積極的に摂取するようにしましょう。
有酸素運動で改善
肩こり、冷え症やむくみといった肉体的な症状は血行不良からおこることが多く、軽い運動をすることで改善されることがあります。
おすすめはヨガやストレッチ、散歩といった無理なく気分転換できる程度の運動です。週に2~3回30分程度で軽く汗をかく程度で十分です。血行が良くなったり筋力が付く以外にも、イライラ改善など精神面にも効果があります。
子宮を温める
PMSの症状の原因となるものに「子宮の冷え」があります。冷たい飲み物や露出度の高い服などで体を冷やしてしまうのはもちろんのこと、長時間の座り仕事も血行を悪くし冷えの原因となってしまいます。
子宮を温めることで生理痛などの症状を和らげることができます。温める位置は腰とおしりの真ん中辺りの仙骨と呼ばれる部分、おへその下辺りで、カイロを貼るのが効果的です。
また、普段から体を冷やさないように常温か温かい飲み物を飲んだり、クーラーに当たりすぎないようにカーディガンを持ち歩くなど、心がけましょう。
薬を使った治療
薬による治療では主に低用量ピルを服用します。低用量ピルは排卵を抑えることで、ホルモンの分泌を抑えPMSの症状を和らげる効果があります。
また低用量ピル以外にも、頭痛や腹痛などには鎮痛剤を処方し、イライラや不安感に襲われるといった精神的な症状には抗うつ剤や抗不安剤といった向精神薬を処方することもあります。
しかし薬は症状を抑え込むもので、根本的に治すことはできません。薬をやめるとまた元の症状に戻ってしまいます。さらに、低用量ピルや向精神薬は副作用が強いため、服用には十分注意が必要です。
まとめ
PMS治療であなたの苦悩は軽減できる
PMSは現代病?
PMSに効く食べ物
有酸素運動で改善
子宮を温める
薬を使った治療