オリモノには心配のないものと病的なオリモノの2種類があります。病的なオリモノでも早期に適切な治療をすれば比較的簡単に治ることが多いのですが、放っておくと再発を繰り返し広がっていくこともあるのです。
今回は オリモノ が かたまり なって出る病気についてお話しします。
かたまりのおりものがでる!!何の病気?治療法はあるの?
病的なオリモノの見分け方
水のような粘液または白色で無臭であれば心配のないオリモノと考えていいでしょう。排卵の時期や、感情が高ぶったときにも生理的な現象でオリモノが分泌されます。このような心配のないオリモノは、膣の自浄作用と潤いのために必要なものなのです。
一方で病的なオリモノは、時間が経つにつれて量が増えてきたり、色が黄色や膿のようにかたまりになって出てきたりします。ときには出血を伴い、赤褐色になることもあるのです。
病的なオリモノの原因は細菌による炎症が多いといわれています。オリモノの異常の原因には、腫瘍やホルモンの分泌異常などの可能性もあり、オリモノは子宮や膣の異常を知るための重要なものなのです。
激しいかゆみとオリモノが特徴のカンジダ膣炎
カンジダ膣炎は、カビ類の一種であるカンジダという微生物が原因で起こります。カンジダは健康な人の膣にも常にいる菌で妊婦でない人の15%、妊婦の20%以上が持っているといわれています。
しかし、菌を持っているからといってカンジダ膣炎を発症するとは限りません。カンジダがさまざまな原因で増え、膣などに炎症を起こして症状が出たらカンジダ膣炎と診断されます。
症状は、激しいかゆみがあり、カッテージチーズのようなかたまりのオリモノが増えてくることが特徴です。
カンジダは、女性ホルモンと密接な関係があり、女性ホルモンの分泌が少ない閉経後の女性はあまり発症しません。
抗生物質や経口避妊薬を服用している人や妊娠中の人はカンジダ膣炎を発症しやすくなっています。
診断は、症状とオリモノの検査や顕微鏡検査を経てカンジダの存在を確認したところでくだされることが多いでしょう。
治療は膣内のオリモノをふき取り抗カンジダ薬を膣に挿入します。
治療期間は10日間連続で行うことが多いですが、1週間に1回使用の座薬による治療が行われることもあります。
治療を5日程度続けると症状は落ちついてきますが、治療を中止すると再発するため注意が必要です。
妊娠時は、完治させておかないと出産時に膣内にあるカンジダが赤ちゃんの口の中に感染し、口腔カンジダ症の原因になります。
女性の多くがかかりやすい子宮頸管炎
子宮頸管炎とは、子宮頸管の粘膜に起こる炎症です。子宮頸管単独で炎症が起こることはめったになく、ほとんどが膣炎から広がって起きています。
子宮頸管とは、膣を通して外とつながっていることや、出産や人工中絶時に頸管損傷を生じやすいこと、また子宮膣部びらんが頸管の入り口にあることから、子宮頸管は膣と同じくらい感染を受けやすい場所なのです。
女性のうち、半数以上は子宮頸管炎にかかった経験があるとも言われています。とくに、経産婦の60%以上は、子宮頸管炎であるというデータもあるのです。
子宮頸管炎は慢性化すると不妊症になりやすくなるといわれています。急性のうちに治療を始め、慢性化させないことが重要です。
治療は、頸管部の安静の為に夜の行為をやめて抗生物質の服用をします。炎症が激しい場合は、入院して抗生物質と鎮静剤による点滴治療をすることも考えられるでしょう。
慢性になると膣錠を使用したり、女性ホルモンを含んだ膣錠を使用したりすることもあります。
薬剤治療や入院治療でも効果が得られないときには、高周波電気凝固法や炭酸ガスレーザー療法などの外科的処置を検討することになるでしょう。
まとめ
かたまりのおりものがでる!!何の病気?治療法はあるの?
病的なオリモノの見分け方
激しいかゆみとオリモノが特徴のカンジダ膣炎
女性の多くがかかりやすい子宮頸管炎