妊娠すると妊婦健診で毎回尿検査を受けます。その尿検査で尿蛋白を測定します。尿検査で陽性となってしまった場合、どのような原因があるのでしょうか。
たかが尿検査と甘く考えがちですが、その 尿蛋白 には恐ろしい 原因 が潜んでいる可能性があるのです。
尿検査で尿蛋白が!原因は?私病気なの?
尿蛋白が検出されたが病気でない場合の原因
尿は腎臓という臓器により血中のタンパク質をろ過しています。ろ過して綺麗にした血液は身体に戻され、不要な老廃物は尿として排出されます。
通常、タンパク質は身体に戻されるので尿に混じるタンパク質の量はごく微量なのです。しかし、腎臓の機能低下などが原因で、尿に混じるタンパク質の量が多くなることがあります。これを尿蛋白と言います。
尿検査で尿蛋白が陽性となり、病気なのかと考えてしまうこともあるでしょう。しかし、尿蛋白が検出され、それが必ずしも病気をあらわしているのかと言うと、そうではありません。
身体に病気はなく一時的に尿蛋白が出た場合と病気が原因である場合があります。病気でない場合の原因は以下のようなものが考えられます。
- 生理前
- ストレス
- 興奮
- ショック
- 高熱
- 寒さ
- 激しい運動
- タンパク質の過剰摂取
- 入浴後
これらに共通する点は血流が増えるということがあげられます。体内の血流が増えるということは、腎臓に流れる血流も増えるということです。これにより、腎臓がろ過する血漿蛋白が増えてしまうため尿蛋白が検出されると考えられています。
健康的な人であっても体調により尿蛋白が出てしまうということです。
尿蛋白に潜む病気
病気が原因の場合、どのようなものがあるのでしょうか。妊娠中は妊娠前より尿蛋白が陽性になりやすいと言われています。その理由は、腎臓が母親だけでなく胎児の分もタンパク質をろ過しなければならないからです。
さらに、お腹が大きくなるとちょっと運動するにも大変で妊娠中は運動不足になりがちです。運動不足は腎機能を低下させるため、尿蛋白が出やすくなります。一度尿検査で陽性になっただけなら一時的なものだと心配しなくても良いでしょう。
しかし、検診のたびに尿蛋白が検出されるような場合、それは病気が原因かもしれません。妊娠中に考えられる病気には以下のものがあります。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群になると尿蛋白の他に高血圧やむくみの症状もあらわれます。重症化すると腎臓や肝臓の機能障害、脳出血、流産や胎盤早期剥離など妊娠を継続できなくなる恐れがあります。
腎臓疾患
急性腎炎、慢性腎炎。腎盂腎炎、肝臓がんなどの可能性があります。
膀胱や尿路の病気
尿管結石、尿管がん、膀胱炎、尿道炎などが考えられます。
腎機能が低下
肥満症、高血圧、糖尿病などの疾患がある人は腎機能が低下していることが考えらえます。
尿蛋白を予防するには?
食事改善
塩分や糖分を控えた食事メニューにしましょう。また、つわりが落ち着くと急に食欲が出てつい食べ過ぎてしまいますが、カロリーの摂りすぎも注意が必要です。
食事量は一人分とし、バランスの取れた食事をすることが大切です。食事は塩分控えめな和食がおすすめです。
水分補給
妊娠中は体内の血液の量が増えるのでいつもより多くの水分を摂取する必要があります。むくみを気にして水分を控える人がいますが、喉が渇いたと感じたらこまめに水分補給を行いましょう。妊娠すると代謝が上がるため汗をかきやすくなります。
また、胎児の血液や胎児を育てるために必要な羊水を作るためにも水分は欠かせません。妊娠前より少し多めに水分補給を行おうと意識すると良いでしょう。
適度な運動
安定期に入り体調が良ければ、ウォーキングやマタニティヨガなど適度な運動をしましょう。運動不足は腎機能を低下させてしまいます。その予防のために運動はとても大切です。また、出産のための体力づくりにもなりますので、日ごろから積極的に運動しましょう。
まとめ
尿検査で尿蛋白が!原因は?私病気なの?
尿蛋白が検出されたが病気でない場合の原因
尿蛋白に潜む病気
尿蛋白を予防するには?