妊娠初期 の 出血 は珍しいことではありませんが、突然の出血にびっくりする人は多いと思います。出血によって妊娠に気づく妊婦もいて、多くは心配のないものがほとんどです。
ですがまれに流産や子宮外妊娠などの可能性もありますので、出血の原因や危険性について知っておきましょう。
知っておきたい妊娠初期の出血の原因、そして危険性について
妊娠初期に出血したとき
出血があれば、慌てずに生理用ナプキンをつけてすぐに病院に連絡しましょう。病院にはいつごろから出血が続いているのか、妊娠の週数、どのくらいの量が出ているのか、痛みはあるか、出血の色は何色か、などを伝えましょう。
出血が少量ですぐに症状が治まっても、自己判断で大丈夫と考えないでください。出血の様子をメモにして、病院に連絡し指示を仰ぐようにしましょう。
心配のいらない出血の原因
着床出血
赤ちゃんがが子宮内膜に滑り込み、母体から栄養をもらうスペースをつくります。その際に、子宮内膜が傷つくことによって起こる出血です。出血量もごく微量で、全く出血がない人も多いです。期間は、生理予定日1週間前頃から数日間の間に起こります。
妊娠の着床の際に起こる生理的な出血で、1日から3日以内に終わりますので心配いりません。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
子宮を包む絨毛膜という膜の外に血液が溜まっています。子宮が大きくなると、胎盤がさまざまな方向にひっぱられることにより、胎盤がはがれ出血が起きます。
通常は胎盤が完成する4から5ヶ月ごろには治りますが、お腹の張りや痛みが続く場合には、切迫流産の可能性もありますので、病院へ行きましょう。
子宮膣部びらん(しきゅうちつぶびらん)
子宮の入り口がただれている状態で、妊婦に限らず起こります。少しの刺激でも出血しますが、生理的なものなので心配はいりません。
子宮頚管ポリープ
子宮頚部の粘膜の細胞が増殖することによってできる、良性のポリープです。痛みなどはなく気づきにくいですが、ささいな刺激で出血します。
ポリープの出来た場所、大きさによっては、感染症を引き起こしたり、流産、早産につながったりする場合があります。そのような可能性があるときは、医師の判断で妊娠途中に切除します。特に妊娠経過に問題がなさそうであれば、そのまま経過観察となります。
危険が伴う出血の原因
切迫流産
切迫流産とは、子宮の収縮が起きて流産になりかけている状態です。出血と同時に、激しいお腹の痛みを伴った場合は、切迫流産の可能性があります。直ちに病院へ行くようにしましょう。
出血していても胎児の心拍が確認できれば、妊娠の継続は可能です。医師の指示に従って安静に過ごすようにしましょう。
子宮外妊娠
赤ちゃんが子宮に移動するときに、2%程度の確率で子宮以外の場所に着床してしまうことがあります。98%以上が卵管に着床します。
つわりなどの妊娠の症状があらわれても、赤ちゃんが子宮内に確認できないときは、この子宮外妊娠の可能性があります。着床しても胎盤が形成できないので、残念ながらほとんどが流産となってしまいます。
しかし気づかずに放置していると、卵管が破裂してしまい妊婦の身体が危険な場合があります。大量出血や激しい腹痛、血圧が低下するなどの症状があればすぐに病院を受診しましょう。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤のもとになる絨毛が、ぶどうのような水泡状の粒になり子宮内に増殖して、赤ちゃんを吸収してしまう病気です。原因は、染色体異常であると考えられています。
赤ちゃんが子宮内膜に着床し、成長するときに異常があらわれる病気で、妊婦の400人から500人に1人の割合でおこります。つわりが重い、茶色いおりものや少量の出血が続くなどの症状があれば、医師に相談してみましょう。
残念ながら、妊娠は継続することができません。摘出手術を早急に行うことになります。
妊娠初期の出血は、ごく少量で他に症状がなければそれほど問題ない出血がほとんどです。でも大量に出血したり、腹痛などの痛みがあったりするときは、危険な病気のサインかもしれません。
しっかりと自分の症状を確認して自己判断せず、必ず病院を受診するようにしましょう。
まとめ
知っておきたい妊娠初期の出血の原因、そして危険性について
妊娠初期に出血したとき
心配のいらない出血の原因
危険が伴う出血の原因