予定の生理が来なく、妊娠したかも?と思ったり、妊娠判定薬で陽性反応が出たばかりのような妊娠のごく初期の頃から、さまざまな体調不良を訴えられる方がいらっしゃいます。
なかでも腹痛は不安になってしまう症状の一つです。ここでは、 妊娠初期 の 腹痛 についてまとめてみたいと思います。
様子を見ても大丈夫?妊娠初期の腹痛
子宮が大きくなり、痛みが出る
妊娠前の子宮の大きさは、縦7cm、横3~4cmと鶏卵をつぶしたような大きさです。妊娠をすると子宮は大きくなりはじめ、2か月の終わり(妊娠7週)には鶏卵の1.5倍、3か月の終わり(妊娠11週)には成人のこぶし大になります。
このように、まだおなかは目立って大きくならなくても、子宮そのものはぐんぐん大きくなっています。筋肉で出来ている子宮が伸びて大きくなっていき、さらに支えている靭帯も引っ張られるため、痛みがおこることが考えられます。
また、子宮への血流量も増えるため、子宮がうっ血した状態になり、痛みが出る方がいます。
ホルモンの変化で便秘や下痢に
また、妊娠によりエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンのバランスが変化したり、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の分泌により、便秘や下痢になる方がいます。
またつわりで食事量が減ってしまうことにより、便秘になってしまうことも多いです。これらが原因で下腹部が張ったようになり、腹痛を引き起こしている場合もあります。
痛みの感じ方
妊娠初期のからだの変化に伴う腹痛
- 下腹部がチクチクした痛み
- 何となく、下腹部全体が痛い
- 下腹部が張るような痛み
と表現されることが多いです。ただ、時に普段の生理痛より痛みが強いと表現される方もいるため、なかなか統一して痛みを表現することは難しいです。
心配な腹痛の場合
妊娠初期の腹痛のなかで、心配なものは流産の徴候である腹痛です。残念ながら、妊娠の10~15%は流産してしまうというデータがあります。様々な原因で妊娠が継続できなくなると、子宮は赤ちゃんを外に押し出そうとして収縮し、腹痛が出現します。
子宮外妊娠の場合も注意が必要です。全妊娠の1%前後で子宮外妊娠となってしまうことがあります。子宮以外の卵管や卵巣、腹腔内に受精卵が着床してしまうと、妊娠が継続できなくなり、出血するなどして腹痛が起こります。
また、正常な妊娠経過をたどっていても、ホルモンの影響等で卵巣が腫れて痛みを伴うことがあります。
ある程度の大きさまでは様子をみて、妊娠が進むとあまり大きくならなくなり、痛みも落ち着くことが多いです。
ただ、まれに大きさによっては卵巣がねじれてしまったり(卵巣茎捻転)、腫瘍が悪性であることが予想されるような場合は、妊娠中でも手術等が必要なことがあります。
痛みの対処方法
一番大事なことは、妊娠をしたかな?と思ったら、まず病院を受診し、かかりつけ医を決めて妊娠の診断をしてもらうことです。
妊娠判定薬で陽性が出ても、子宮内に妊娠しているのか子宮外妊娠なのかまではわかりません。子宮内に妊娠が確定され、そこからどのように妊娠が継続されているか、経過を追ってもらうことが重要になります。
そのなかで、いまある腹痛が様子をみてよいものか、判断してもらいましょう。あとは、自分自身のからだを大事にしてもらうことに尽きます。
からだが冷えると血行が悪くなり、子宮への血行も悪くなり、痛みが増します。どの季節でも妊娠をしたらからだを冷やさないよう、気をつけましょう。
また、妊娠初期はまだおなかが目立っていないため、自分自身や周囲の意識が薄いため、仕事や家事、上の子の世話など無理をしがちになります。疲労やストレスも痛みを増加させる因子になります。疲れたと思ったら、横になるなど安静にすることがとても大事になります。
そして周囲の理解を早めに得ることも重要です。職場では、なるべく早めに上司に相談し、場合によっては仕事を軽くしてもらうことも必要です。家族には家事、育児のサポートをこれまで以上にしてもらえるように働きかけ、からだの負担が軽くなるように心がけましょう。
そして、不安を一人で抱え込まないようにし、家族や職場の人、病院の医師やスタッフに相談しながら、不安定な妊娠初期を乗り切るように心がけましょう。
まとめ
様子を見ても大丈夫?妊娠初期の腹痛
子宮が大きくなり痛みが出る
ホルモンの変化で便秘や下痢に
痛みの感じ方
心配な腹痛の場合
痛みの対処方法