妊娠していなくとも「 妊娠中毒症 」という言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。実は大変危険な病気なのです。具体的にどのような 症状 と治療法があるのかまとめてみました。
妊娠中毒症ってどんな病気?症状は?
妊娠中毒症って?
現在では「妊娠高血圧症候群」という病名に改められています。むくみ、高血圧、蛋白尿をチェックして医師が総合的に判断します。これらの三点が当てはまると「妊娠中毒症」といわれていました。
現在は高血圧に着目されています。特に妊娠後期の8か月から10か月に起こりやすいとされ、妊娠中期以前に発症すると悪化する傾向がありますので注意が必要です。また1週間で500g以上増えていたら要注意、生活を見直しましょう。
なぜ妊娠中毒症になるの?なりやすい人は?
意外にも、なぜ妊娠中毒症になるのかははっきりとはわかっていないのです。妊娠、胎盤が作られることに体がうまく順応できない人がなると考えられています。現在のところ、
- 女性の年齢が35歳以上か15歳以下
- 初産
- 太りすぎや痩せ過ぎ
- 多胎妊娠
- 腎臓病や糖尿病、高血圧など持病がある人
- 以前妊娠高血圧症候群にかかったことがある人
- 仕事がハードなどの理由でストレスが多かったり睡眠不足の日が多かったりする人
が異常をきたしやすく、妊娠高血圧症になりやすいと推定されています。
妊娠中毒症になると何が怖いの?
母体
胎盤が早期に剥離し大量出血を起こしたり、最悪死に至る肝機能症候群にかかったりします。本来出産後に治るものとされている妊娠中毒症ですが、重症化していると出産後でも引き続き治療をしなければならなくなります。
50年ほど前は、妊娠高血圧症で亡くなる方は2000人もいたのです。決して楽観視してはいけません。
胎児
子宮や胎盤への血液量が減少し、胎児の発育に影響を及ぼしてしまうことが危惧されています。最悪の場合、早産や死産、未熟児、子宮内で胎児が死亡することもあります。
妊娠中毒症の症状は?
むくみ、蛋白尿、高血圧の症状があります。産婦人科の健診で毎回確認するのは妊娠中毒症の有無を確認しているのです。重症になると目の前がチカチカしたり、全身がむくんだり、しびれたりという自覚症状が現れることがあります。
血圧
血圧が高すぎると、血管が傷みやすくなります。胎盤に必要以上に圧力がかかってしまうと赤ちゃんへきちんと栄養素が送られなくなることも考えられます。
最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHgのことをいいます。但し、必要以上に緊張していると高くなりやすいので医師の判断にもなります。
蛋白尿
尿に蛋白が現れることをいいます。健康ならば尿へはほとんど出ない蛋白が出るということは腎臓機能が低下していることを意味しているため注意が必要になります。何週間か連続して出るかどうかも確認します。
むくみ
自分でも確認しやすい項目です。足を押してへこむかどうかを確認しましょう。足首が見えなくなるほどひどくなければ大丈夫です。水分をたくさんとるように心がけましょう。妊娠中は1日2リットルはこまめに摂るようにしてください。蛋白尿の解消にもなります。
妊娠中毒症の治療法は?
食事療法が原則です。食事療法では
- 減塩(1日10g以下)
- 糖分を減らす
- 高たんぱく低カロリーの献立に変えること
- 動物性脂肪は摂らないようにすること
を目標とされます。妊娠中毒症の予防のためにこれらの食生活を心掛けておくと良いでしょう。
重症の場合、降圧剤などの薬物療法や入院による治療が行われます。入院では絶対安静で歩くことさえ禁止されるような状態になります。さらにその後の状況次第では緊急帝王切開などでたとえ出産には早い時期の赤ちゃんでも出産させNICUに入れて管理することもあり得ます。
妊娠中毒症にならないよう、バランスの良いヘルシーで健康的な食生活と適度な運動、十分な休息、ストレス発散を心がけて出産に備えましょう。一度なってしまうと治療も大変ですし、解消するのは非常に大変です。
まとめ
妊娠中毒症ってどんな病気?症状は?
妊娠中毒症って?
なぜ妊娠中毒症になるの?なりやすい人は?
妊娠中毒症になると何が怖いの?
妊娠中毒症の症状は?
妊娠中毒症の治療法は?