妊娠前は健康状態に何も問題がなかった人が、妊娠を機に血糖値に異常があらわれる症状が妊娠糖尿病です。糖尿病は血液検査の際に発見されることが多い病気です。
糖尿病と聞くととてもこわい病気を想像してしまいますが妊娠を機に発症した糖尿病の多くは出産を機に症状が改善することがほとんどです。
今回は、 妊娠 を機に発症する 糖尿病 とその 診断基準 についてご説明いたします。
妊娠を機に発症する糖尿病とその診断基準について
妊娠糖尿病?
妊娠糖尿病とは妊娠前には問題なかった血糖値が糖代謝の異常によって上昇してしまう病気です。妊娠初期に受ける血液検査で発見されることもありますが、初期には発症せず、妊娠生活がすすんだ中期や後期に発症することもあります。
そのような妊娠を機に初めて発症した糖尿病を妊娠糖尿病といいます。妊娠前から糖尿病をもっている人が妊娠した際には糖尿病合併妊娠といいます。妊娠糖尿病は出産を機に血糖値が正常に戻ることが殆どですが出産後も血糖値が高い状態が続く時は糖尿病と診断されます。
診断の基準は?
診断は少量の血液を血糖値が測定できる機械に入れます。妊娠糖尿病は空腹時、食事を食べる前の血糖値が92mg/dLより高い場合、食後1時間後が180mg/dLより高い場合、食後2時間が153mg/dLより高い場合など、この内1点以上を満たした時に診断されます。
空腹時の血糖値が126mg/dLを超える場合は妊娠糖尿病ではなく糖尿病の診断も検討します。
妊娠糖尿病になったら
妊娠糖尿病と診断がおりた時は、食前食後の血糖値の検査を自宅で行い、血糖値の動きを把握した上で食事や運動を心がけて生活することになります。入院が必要な場合もありますが殆どの場合は自宅で血糖値を測定しながら食事療法と運動で様子を観察します。
食事は1日1600キロカロリーを目安に栄養やバランスを考えて薄味になるように心がけます。血糖値の上昇をさせてしまう糖質の多い餃子などを食べる際には同じ糖質の多いお米は控えるなど工夫をして食べることで食べたいものが食べられないというストレスを減らすことができます。
妊娠糖尿病になるとからだが重く感じることもあり、運動不足になることがあります。疲れやすいので無理は必要ありませんが適度にからだを動かすようにします。
赤ちゃんは大丈夫?
妊娠糖尿病と聞いて赤ちゃんは大丈夫なのか?心配になるお母さんも多いと思います。
妊娠糖尿病にかかると、ブドウ糖が赤ちゃんにたくさん運ばれてしまい栄養過多の状態になってしまいます。少し大きい程度なら良いのですが、巨大児になってしまうこともありますし初期に発症した場合には先天奇形が起こってしまうこともあります。
出産後も赤ちゃんが低血糖になってしまうこともある病気ですので注意が必要です。妊娠糖尿病は心にとってもからだにとってもストレスになります。心配なことがある時はきちんとお世話になっているお医者さんに相談し、不安を和らげる努力をすることも大切です。
出産にあたり
妊娠糖尿病で赤ちゃんが大きくなりすぎると出産も困難になってしまいます。妊娠中毒症などの合併症で病院から運動を制限されている場合以外は適度にからだを動かすことで出産の時の体力を保てるようにしておきます。
妊娠後期はなるべく動くようにし、37週を過ぎた頃からはいつでも出産ができるからだにしておきます。出産を終えるとあの高かった血糖値が嘘のように正常に戻るのも妊娠糖尿病の特徴の1つです。出産を終えると妊娠中の辛さを忘れてしまうお母さんも多いと思います。
しかし妊娠糖尿病にかかった人は将来糖尿病を発症する確率が普通の人よりもとても高いと言われています。可愛い我が子が大きくなる姿を元気にいつまでも見守っていけるように出産後も食事や運動を心がけ、糖尿病の発症リスクを減らしていくことが大切です。
妊娠糖尿病を発症したことは大変なことですが、この病気をきっかけにバランスの良いからだにやさしい食事や適度な運動の大切さを改めて感じたと思います。病気の経験を大切に生活することで他の病気にも負けないからだを家族で築いていくが大切です。
まとめ
妊娠を機に発症する糖尿病とその診断基準について
妊娠糖尿病?
診断の基準は?
妊娠糖尿病になったら
赤ちゃんは大丈夫?
出産にあたり