妊娠初期の出血は量にかかわらずすぐに受診する必要があります。なぜならば、流産につながる可能性も否定できないからです。初期の流産は受精卵の異常が原因であり、防げないこともあります。
今回は、 妊娠 初期 に 鮮血 が 出血 した場合、流産も含めて考えられる病気を解説します。
妊娠初期に鮮血が出血する可能性がある病気
腹痛を伴わないときには痔の可能性
鮮血が出血したり、便のまわりに鮮血がついていたりするようであれば肛門からの出血が考えられます。
妊娠初期は、つわりの影響から食欲が落ち便秘になる人が多いのです。固い便を出すことが苦痛になり、便意を我慢することでさらに便秘は悪化します。排便後に紙に少し鮮血がつく程度ならば、切れ痔と考えられます。
切れ痔は、排便後に肛門が痛む特徴があり、痛みは30分ほど続くでしょう。排便のたびに鮮血が吹き出るほどの量が出血するときには痔核が考えられます。肛門からの出血であることがわかったら、肛門科もしくは外科を受診することをおすすめします。
痔は便秘によって、便が固くなることが原因です。固くなった便が肛門を通るときに、肛門が押し広げられて傷になってしまいます。一度痔になり、痛みを感じてしまうと排便がこわくなってしまうでしょう。妊娠中は初期から便秘にならないように食生活に気をつけましょう。
下痢を伴う出血のときには大腸の病気を疑う
激しい腹痛と水のような下痢、血便が続くときには腸管出血性大腸感染症の可能性があります。下痢が原因で流産になることは考えにくいですが、脱水や体力の消耗が著しくなり胎児に悪影響を与えることもあるため、早めに受診するようにしましょう。
腹痛の程度は激しくはなく、少量の出血が続く病気もあります。出血の量が少しでも出血している期間が長くなってくると、息切れや体重減少が始まります。体重減少や息切れの症状があらわれたときには、貧血になっていると考えられるため、貧血の治療も必要になるでしょう。
少量の出血が続く病気の種類はいくつか考えられます。痔核や直腸のポリープであれば、良性でそれほど心配はいりません。
しかし、似たような症状でも直腸がんの可能性も否定できないのです。排便の時に、少し力んだだけで出血したり、便が細くなったり、便秘と下痢を繰り返したりする症状があれば直腸がんが疑われます。
下腹部痛と出血があったときは流産の可能性も
妊娠初期は自然流産が多い時期です。自然流産の多くは、受精卵の異常が原因であるため防ぐことは難しいといわれています。流産の症状は、胎盤がはがれることによる性器出血と子宮が収縮することによる下腹部痛の二つです。
ほとんどは、血が混じったネバネバしたオリモノから始まり、下腹部に違和感や痛みを覚え始めます。そして進行していくと、鮮血の出血が始まるのです。鮮血の出血が起きると不安になりますが、ここまでならば切迫流産であるため早めに処置すれば流産を防ぐことができます。
しかし、処置が遅れてしまうさらに進行すると、下腹部痛が陣痛のように規則的になり胎盤も出てしまうことになるのです。
鮮血の出血に気がつき、切迫流産の可能性を考えたらすぐに安静にすることが大切です。妊娠初期の切迫流産は入院することになるでしょう。
妊娠初期の流産は、胎児に異常がある場合が多いのですが、母体に原因があることもあります。子宮や卵巣に異常があれば流産しやすくなってしまうのです。
流産を繰り返す習慣流産を防ぐためには、原因を突き止めて治療を受けるようにしましょう。子宮や頸管に異常があったとしても手術で治すことが可能です。
妊娠初期の出血は、原因によっては流産になることも考えられます。原因を早急に突き止めて適切な治療をすみやかに受けるためにも、出血したらすぐに受診するようにしてください。
まとめ
妊娠初期に鮮血が出血する可能性がある病気
腹痛を伴わないときには痔の可能性
下痢を伴う出血のときには大腸の病気を疑う
下腹部痛と出血があったときは流産の可能性も