流産とは、妊娠22週未満で生まれてしますことをいいます。妊娠初期の流産は、助けることが難しいとされています。妊娠22週以降の早産であれば、救命率がよくなるといわれています。
今回は、 妊娠 初期 の 流産 の 兆候 と原因について解説します。
妊娠初期にみられる流産の兆候と原因
流産の3つの原因
流産は3つの原因が考えられます。
一つ目は、胎児に遺伝的な病気や強い奇形がある場合です。病気や奇形があると、胎児は生き続けることが難しく妊娠途中で流産に至ることが多いのです。最近では、流産した多くの胎児で染色体異常が確認されています。
胎児の奇形の原因は、葉酸不足も考えられます。妊娠6週間までに葉酸が不足していると、先天性奇形である神経管閉鎖障害がおこるといわれています。
妊娠を希望しているならば、妊娠4週前から妊娠12週までは葉酸を意識的に摂取することが、流産の抑制につながるかもしれないのです。
しかし、胎児に原因がある場合は予防や治療が困難であるため、流産を食い止めることが難しいのが現状です。
二つ目の理由は、母体に異常がある場合です。子宮の大きさや奇形、子宮口がゆるかったりすると流産の原因になることがあります。
もしくは、卵巣腫瘍や子宮筋腫など腹部内に腫瘍があっても流産しやすくなるのです。母体の異常により流産を繰り返していることを習慣流産といいます。
母体が原因の流産には、全身疾患が原因であることもあります。高熱がでる病気やウィルスに感染したときも流産することが考えられます。
長時間の立ち仕事や階段の上り下りは母体に物理的な衝撃を与えてしまいます。母体が転倒し下腹部を強打すると、胎盤がはがれて流産することもあるのです。
流産は妊娠初期の11週未満が多いのですが初期であればあるほど、原因が胎児にあるのか母体にあるのかはわからないことがほとんどなのです。
妊娠が判明したら、母体に物理的な衝撃がかからないように注意し、精神的な疲労も避けるように注意しましょう。
妊娠初期の流産の兆候
流産の兆候は、胎盤がはがれることによる出血と子宮収縮によっておこる下腹部痛が代表的な症状です。
ほとんどが、血の混じったおりものが出てから下腹部の痛みと鮮血の出血が始まります。
流産の初期であれば、切迫流産であり適切な処置をすみやかに行えば無事であることも多いのです。
しかし、流産が進んでしまうと下腹部の痛みは規則的になり血液と共に胎児が胎盤から出てきてしまいます。
妊娠初期から中期にさしかかった流産は、出血や腹部の痛み以外にも卵膜がはがれることで、破水から流産が始まることもあります。
流産したときの手当てと注意点
妊娠初期に流産の兆候を感じたら安静にすることが一番大切です。妊娠初期であれば、すみやかに入院する必要があります。
妊娠初期の切迫流産は、子宮から胎盤がはがれかかっているため、物理的な刺激を加えたりしないように体を動かさないことが大切です。
治療は、子宮収縮を止める投薬を行います。流産したあとは、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。流産後1週間は安静に体を休ませるようにします。
入浴や夜の行為は避け、局部に清潔なガーゼか脱脂綿をあてて出血に対応しましょう。
流産を何度も繰り返すようであれば、流産の原因を調べる必要があります。梅毒やトキソプラズマ症などの感染症が原因にある場合には病気の治療を優先させなければなりません。
また、子宮に異常がある場合や子宮頸管の損傷や閉鎖不全症があれば手術で治療が可能です。
妊娠初期から中期になると陣痛が起こり破水から流産する人は、子宮頸管縫縮手術を行うことで約90%は無事に出産できるといわれています。
妊娠初期の流産を食い止めるためには、早期に診断を受けて流産の原因を突き止めることが大切なのです。
まとめ
妊娠初期にみられる流産の兆候と原因
流産の3つの原因
妊娠初期の流産の兆候
流産したときの手当てと注意点