妊娠 六週目 はとても大きな節目の週です。妊娠検査薬で陽性反応を確認し、産婦人科を受診する目安の週になります。また、母体にも胎児にも大きな変化が起きる時期です。
今回は大きな節目である六週目に気をつけるべきことについて解説します。
妊娠六週目の胎児と気をつけるべきこと
妊娠六週目は胎嚢と心拍の確認時期
妊娠六週目にはほとんどの人が胎嚢の確認は済んでいます。胎嚢とは子宮内にある胎児を入れた袋のことを指します。現在ではエコーと呼ばれている超音波断層装置を使って妊娠のごく初期から子宮内を観察することができるようになりました。
このエコーを使うと月経が1週間程度遅れた段階でも胎嚢が確認できますし、妊娠六週目ごろには姿や心臓の動きまで確認することができます。妊娠六週目の胎児は、まだ8ミリ程度で正式には胎芽とよびます。
頭からお尻までの長さをエコーで測り、妊娠の週数や出産予定日を計算することができます。胎芽の確認とともに心拍を確認し、正常な妊娠ができているかを確認するのです。妊娠六週目になっても胎嚢が確認できない場合には、流産か子宮外妊娠の可能性を考えます。
妊娠六週目ごろに胎嚢が確認でき、心拍が110から140bpm確認できれば流産の可能性は低くなり「妊娠した」という診断を受けることになるのです。
妊娠六週目は薬の服用とレントゲンに注意が必要
妊娠六週目の胎児は脳や神経、消化器や血管など重要な部位の形成を始めています。妊娠初期といわれる妊娠四週目から十五週目までは絶対過敏期といわれ、薬や放射線の影響を受けやすい時期なのです。
もちろん放射線の量にもよりますが、妊娠六週目は微量の放射線でも安全とはいえません。妊娠六週目はつわりが始まる時期とも一致しています。
そのため、胃腸が悪いと思って消化管のレントゲン検査を受ける人もいました。胸部の間接撮影を心配する人もいますが、間接撮影の場合の放射線量は微量であるためほとんど心配はいりません。
妊娠が発覚すると、虫歯を子供に感染させないために歯の治療を行うこともあります。妊娠中は歯の治療をするものではないという説もありましたが、最近は歯の治療方法も進歩して母体に負担をかけることがなくなりました。
抜歯のときの麻酔薬や歯のレントゲン検査がありますが、歯の治療程度の放射線は胎児に影響をあたえることはありません。
胎児の脳の形成に必要な栄養素を積極的に摂る
妊娠六週目の胎児は脳が急速に形成されます。とくに妊娠初期は葉酸が胎児の発達には欠かせません。葉酸はホウレンソウなどの野菜に多く含まれています。妊娠前から積極的に摂るように心がけましょう。
妊娠すると体の中に水分をため込むようになるため、貧血になりやすくなります。全妊婦の40%が貧血になるというデータもあります。赤血球が足りなくなるのが貧血ですが、赤血球は体の中でタンパク質と鉄分で作られます。妊娠貧血の大部分は鉄欠乏性貧血といわれるものです。
胎児は母体から鉄分を摂って胎児自身の赤血球を作りますが、母体の鉄分が不足すると母体の赤血球が間に合わなくなり妊娠貧血を起こすのです。つまり、妊娠貧血は鉄分とタンパク質の不足から起きているといえます。貧血になると、胎児母体共に困ることが起きます。
血液の役目は水分の中に栄養分を溶かして体のいたるところに送ることです。妊娠中に一番栄養を必要とするところは子宮と胎児と胎盤です。貧血になると胎児の成長するエネルギーや分娩に必要な力が不足し、未熟児で生まれたり仮死状態で生まれたりすることがあります。
また母体の方は出血に耐える抵抗力が弱まり、産後の肥立ちが悪いという状態になりかねません。妊娠六週目の初期に正常値であっても、赤血球は妊娠が進むにつれて減ってきます。
貧血の検査を定期的に受けながら、妊娠六週目のうちから鉄分を多く含む食事を心がけることが理想的です。
まとめ
妊娠六週目の胎児と気をつけるべきこと
妊娠六週目は胎嚢と心拍の確認時期
妊娠六週目は薬の服用とレントゲンに注意が必要
胎児の脳の形成に必要な栄養素を積極的に摂る