妊娠中は抵抗力が落ち、風邪をひきやすくなっています。風邪の不快な症状として鼻水は代表的な症状です。鼻水には抗ヒスタミン剤が有効とされていますが妊娠中は処方しない医師も多くいます。
今回は、 鼻水 が症状である 妊娠 中にかかりやすい病気と対処方法についてお話しします。
妊娠中にかかりやすい鼻水が出る病気と対処方法
風邪による「急性鼻炎」
鼻の粘膜に急性の炎症が起こった状態でほとんどが風邪の症状としてあらわれたものです。原因はウイルス感染が多く、細菌による二次感染が多い特徴があります。子供ではRSウイルスが有名ですが、大人はライノウイルスやインフルエンザウイルス、アデノウイルスが多いでしょう。
症状は鼻やのどがイガイガした乾燥状態になったり、くしゃみがでたりします。最初のうちはサラサラした透明な鼻水ですが、しだいに膿性の鼻水にかわっていきます。
炎症が広がると咽頭炎、中耳炎や副鼻腔炎になることもあるのです。症状が出始めたら悪化する前に保温と安静に気をつけましょう。
通常ならば治療は消炎薬や抗ヒスタミン薬を服用しますが、妊娠中は薬よりも保温と安静で治したほうがいいでしょう。症状が悪化した場合は、抗生物質やネブライザーの治療を行います。
妊娠中でも服用できる薬を医師と相談し処方してもらうようにしましょう。妊娠中は思うように薬が使えないため、症状が長引くことも考えられます。
急性鼻炎になったときには中耳炎を起こしやすくなるため、鼻をあまり強くかまないようにしましょう。強く鼻をかむと細菌が耳管を通り中耳に運ばれ中耳炎を引き起こします。
急性鼻炎が長引いたら疑う「急性副鼻腔炎」
急性副鼻腔炎は、急性鼻炎に続いて細菌の二次感染を起こした状態です。粘膜の炎症が鼻腔だけでなく副鼻腔にまで広がっています。発熱などの風邪の症状以外にも頭痛や副鼻腔の痛みを感じることもあるでしょう。
一般的には頬の上の部分に痛みを感じることが多いのですが、目の周りやおでこにまで痛みが広がることもあります。鼻水はどんどん粘性が強くなり、色も濃くなってくる傾向があります。
急性副鼻腔炎は風邪のあとに起こりやすいため、風邪の後に鼻づまりや痛みが出てきたときには早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
急性副鼻腔炎になると、鼻腔粘膜は赤く腫れあがり炎症を起こしている副鼻腔と鼻腔との間の部分に濃い鼻水が貯まります。必要に応じてレントゲンを撮影することもあり、レントゲン写真には炎症を起こしている副鼻腔は白く映ります。
治療はやや太い針を鼻孔から上顎の空洞部分に刺し、貯まっている濃い鼻水を洗い出す方法もあります。
アレルギー性鼻炎
妊娠中はアレルギーが出やすいとも言われています。アレルギー性鼻炎の場合には原因となるアレルゲンを取り除くことが最も簡単で早い対処方法になるでしょう。
ハウスダストや花粉がアレルゲンの場合には、室内をよく掃除しほこりがつきにくい材質の床やシーツに変えることもおすすめです。
カーペットやソファーにはダニが多く、殺虫スプレーも市販されていますが妊娠中は殺虫スプレーの使用は控えたほうがいいでしょう。ダニの力は紫外線に当てることで弱まるため、寝具類はよく日光に当ててから掃除機で吸い取るようにしましょう。
花粉が原因の場合には、外出から帰ったら花粉をよく叩いてから家に入るようにします。アレルギーの症状をおさえるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。
食事も栄養のバランスがとれたものを食べるようにし、妊娠中はとくに塩分や糖分のとり過ぎには注意しましょう。
アレルギー症状はアレルゲンとの接触が引き金となりますが、精神的なストレスなどの内因的な要因であることもよくあります。
妊娠中はストレスを感じることも多くありますが、上手にストレスを取り除くことでアレルギー症状が緩和されることもあるのです。
まとめ
妊娠中にかかりやすい鼻水が出る病気と対処方法
風邪による「急性鼻炎」
急性鼻炎が長引いたら疑う「急性副鼻腔炎」
アレルギー性鼻炎