欧米では80%以上が選択する無痛分娩ですが、日本では「産みの苦しみ」を知るべきという古くからの風習が根付いているため、選択する人は3~4%と言われています。今後普及するであろう 無痛分娩 についてとその リスク についてまとめてみました。
無痛分娩って?リスクはあるの?
無痛分娩って?
無痛分娩とは、麻酔薬を注入して陣痛の痛みを和らげながら出産する方法です。麻酔は、背中の腰の辺りから管を入れて行います。部分的なので赤ちゃんの産まれる瞬間に意識がなくなることはありません。
しかし、人によっては麻酔が効かずに効果が現れなかった人もいます。麻酔を入れてもいきむことができますので、赤ちゃんを産む感覚はわかります。
文字だけ見ると全く痛みのないお産のように思ってしまいがちですが、実はそうではなく陣痛の痛みを和らげるものです。海外では積極的に取り入れられている分娩法ですが、日本では無痛分娩を行っていない施設も多いのです。
早くから麻酔を入れてしまうとお産の進みが鈍ってしまうと考えられており、子宮口が3~5cm程度開いてから麻酔を注入する方針を取る施設がほとんどです。麻酔を終えるのは胎盤が出て会陰などの傷を縫い終わった後になります。
費用は?
無痛分娩の費用は保険適用外のため医療施設によって様々です。10万前後のところもあれば、20~30万などもっと高額なところもありますので事前に確認しておきましょう。
無痛分娩のメリットは?
やはり妊婦が最も痛みを感じるのは娩出の瞬間です。その時までには麻酔を注入していますので、痛みが和らいでいます。また、体力消耗も弱いので産後の回復が早いと言われています。
さらに、高血圧、心臓病、腎臓病などの持病がある方や、体力に自信がない方の体力温存にも役立つと言われています。
何よりも、一般的にお産に耐えているときはお母さんから赤ちゃんへの酸素供給が減ると言われています。麻酔で痛みが軽くなれば赤ちゃんに酸素がしっかり供給されるでしょう。
赤ちゃんにリスクはあるの?
麻酔薬は妊婦の血液中にわずかに入るだけで、赤ちゃんへの影響はほぼないといわれています。実際の研究結果でも、無痛分娩で赤ちゃんの影響はほとんど起きていない、悪影響はないと出ています。積極的に無痛分娩を行っているアメリカでも問題はほぼ起きていないそうです。
場合によっては麻酔の影響で少し眠そうに生まれてきたり、母体に投与する麻酔量によっては赤ちゃんの音や光への反応が鈍ったりすることがありますが、一時的なものです。
硬膜外に投与される麻酔が通常より多い場合には赤ちゃんに一時的な呼吸障害が起こる可能性もありますが、担当医が細心の注意を払うでしょう。
では、お母さんにはリスクはあるの?
以下のような副作用・リスクがあるとされています。
- 麻酔を注入すると陣痛が弱まり、お産の進みが鈍くなり時間がかかって体力を消耗してしまうことがあります。その結果吸引・鉗子分娩になってしまう。
- 麻酔の影響で足が動かなくなり歩きにくくなってしまう
- 低血圧
- 尿や排便がしづらくなる
- 炎症による体温上昇
- 頭痛や耳鳴り
無痛分娩をすると帝王切開の確率が上がるのではと思う人もいますが、特に関連性はありません。しかし赤ちゃんの心拍が低下したり、お産の進みが停滞したり、異常が発生した場合は別です。これは自然分娩でもいえることですので無痛分娩に限ったことではありません。
無痛分娩が出来ない人はいるの?
以下の方が無痛分娩に適さないとされています。
- 100キロ以上などの過度の肥満の方
- 背骨に何らかの異常がある方
- 神経に異常がある方
- 血が止まらない体質の方
- 麻酔に関してアレルギーがある方
- すでに大量出血をしている方
その他医師が不適切と認める方は使えないことになっています。医師とよく相談しましょう。
無痛分娩で大切なこと
無痛分娩は技術も大切です。専門の麻酔科医がいるかどうか、その病院の過去の実績はどうか、医師との連携はどうか、をしっかり確認しましょう。お医者さんと事前にしっかり相談して決めましょう。
まとめ
無痛分娩って?リスクはあるの?
無痛分娩って?
費用は?
無痛分娩のメリットは?
赤ちゃんにリスクはあるの?
無痛分娩が出来ない人はいるの?
無痛分娩で大切なこと